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ラグビーW杯、最後の8カ月に欠かせぬ緻密な準備

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いよいよラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の年を迎えた。初の開催国として臨む日本代表は、着実に力をつけている。4年前と比べ、環境面でも恵まれている。あとは本番に向かうための最後の準備を確実にしておきたい。

日本が2018年11月に戦ったテストマッチ3試合では、目指す形が出せたシーンがいくつかあった。世界ランキング4位のイングランドとの対戦。最終的には敗れたが、前半は主導権を握って戦い、15-10のリードで折り返すことができた。

自陣からでもかなり積極的にパスをつないで攻撃したことが奏功した。ラックの周りでFWが短いパスを使って攻める形も機能。相手のタックルを外し、前進できる場面が多かった。

ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)が16年に就任して以来、取り組んできたのがキックを多用する戦術だった。互いの陣形が乱れたアンストラクチャーと呼ばれる状態をつくり、相手の隙を生み出すことが狙いだ。この戦術と、イングランド戦で見せたパス主体の戦い方という2本の柱ができつつあることは大きい。

選手層も厚みを増した。主力の負傷で出番をつかんだフッカー坂手淳史やCTB中村亮土ら、新しい選手が強豪国にも戦える力を示した。15年W杯前の日本はテストマッチで力を出し切れる選手が多くなかったが、今は40~50人いる。スーパーラグビーのサンウルブズで多くの選手が強豪クラブとしのぎを削ってきた成果だ。

信じられる武器持っているか

現代表は前回W杯のチームと比べ、選手の経験値や戦術の選択肢の豊富さで大きく勝っている。ただ、W杯で最後に大事になるのは「自分たちはここで勝つんだ」と信じられる武器を持っているかどうかである。

私がゼネラルマネジャーとして関わった前回大会の代表には、そうした武器があった。それは厳しい練習で鍛え上げたフィットネス(持久力)や、プレーの低さだった。特に、試合の最後の20分間になれば絶対に負けないという自信を持っていた。ウェールズやイタリアという強豪との試合の終盤で優勢に戦い、勝ちきった経験から生まれたものだった。

選手やジョセフHCの談話を聞いていると、今回のチームのよりどころは戦術的な部分になるのだろう。イングランド戦で機能した戦い方や、アンストラクチャーからの攻守の精度をどこまで上げられるか。そして、チーム全体がそこにどれだけ自信を持てるか。

日本は昨年6月にイタリアとのテストマッチ第1戦で完勝したが、強豪国の中では最も格下の相手である。本当の意味で自信になったとは言い切れないことを考えると、W杯までに戦う試合が大事になる。

フィジー、トンガ、米国と戦う7~8月のパシフィック・ネーションズカップやW杯の壮行試合となる南アフリカ戦は、そのための貴重な機会になる。また、サンウルブズで戦うスーパーラグビーの試合も重要になってくる。結果と試合内容の両面で、自信を積み上げておきたい。

W杯までの残り8カ月のもう一つのカギが、本番を想定した緻密な準備である。ポイントはいくつかある。

1つ目はW杯のスケジュールの予行演習。15年W杯のときは本番と同じスケジュールの試合を前年までに組み、シミュレーションしていた。中3日で臨む1次リーグ2戦目を想定し、同じ試合間隔での強化試合も組んだ。

今大会の日本は、1次リーグで1週間ごとに1試合、4週連続で戦う。しかし、この日程での試合は16年秋以降、経験していない。サンウルブズも頻繁にメンバーを変えているため、スーパーラグビーを4週連続で戦った選手もそれほど多くない。

事前に細かくシミュレーション

1次リーグで最も重要な最後のスコットランド戦で力を出し切るため、何が必要なのか。選手の疲労などを事前に細かくシミュレーションすることが必要だ。

もうW杯までに4週連続のテストマッチはない。ならば、スーパーラグビーをうまく使い、主力選手を4週連続で起用するなどしておきたい。

2点目は、自国開催の重圧への備えである。国内で8万人の観衆を前に試合をしたことのある選手は誰もいない。日本のラグビー界にとって未体験の状況である。ビッグイベントが始まれば一気に注目が高まる日本のスポーツ文化を想定した準備もしておきたい。

3点目はレフリーを熟知しておくこと。前回大会は南アフリカ戦を吹くレフリーのジェローム・ガルセスさんを事前に日本に招待。強化試合の笛をお願いしたほか、代表合宿にも1週間ほど帯同してもらった。

テストマッチのレフリーを割り当てる国際統括団体ワールドラグビーと、2年前から良好な関係を築けていたことも効いたようだ。ガルセスさんの癖をよく知っていたことで、日本が南ア戦で犯した反則は極めて少なかった。

今回のチームは強豪国と多く戦ってきたうえ、スーパーラグビーでも世界のトップレフェリーの試合を経験しており、その点は追い風だ。あとは4月ごろにW杯各試合の担当レフリーが決まった後、どのような対策を打てるかだ。

最後に体調面。前回のチームには、海外のスーパーラグビーのクラブに加入している選手が6人いた。所属クラブでの出場機会や疲労度はばらばらで、彼らの体調を整える難しさがあった。今回は代表組のほぼ全員がサンウルブズでプレーしており、コントロールはしやすい。

一方、彼らをサンウルブズでどれだけ起用するかは難しい問題だ。多く試合をしすぎると、疲労が残ったままW杯を迎える危険性がある。かといって、休ませすぎるのも考えものだ。

前回大会の南アは、直前のスーパーラグビーで代表組の出場機会を制限していた。結果的にW杯の前半で調子が上がらず、日本に敗れる一因になった。

ニュージーランドも07年W杯で同様の出場制限をしたことが、準々決勝敗退の大きな要因とされた。逆に15年のニュージーランドはスーパーラグビーで代表組を多く使った結果、直後のW杯で優勝している。因果関係が証明されたわけではないが、今回の日本も参考になるところがあるだろう。

日本代表の土台は間違いなく強固になっている。後はW杯本番で力を出し切るための準備。残りの8カ月にかかっている。

(ラグビー7人制男女日本代表総監督)

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