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2018年回顧 相次ぐ自然災害、インフラ襲う

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6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、9月の北海道地震……。2018年は日本列島の各地で豪雨や地震などの自然災害が発生し「災害大国日本」に住んでいる現実を改めて思い知らされた。南海トラフ巨大地震や首都直下型地震などに備えるため、災害に脆弱な重要インフラ(社会資本)の再点検を進めるとともに、住民が日ごろの備えに努め「減災」につなげることが急務になっている。

●都市直下型地震

18年に相次いだ自然災害では様々な脆弱性が浮かび上がった。都市直下型地震の影響の大きさを見せつけたのは6月の大阪北部地震だった。

6月18日午前7時58分ごろ、大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震が起き、6人が死亡した。平日の通勤通学の時間帯で都市機能がマヒし、一時は鉄道や道路などの交通網が広域で寸断され、多くの人々の移動が長時間阻まれた。

多数の帰宅困難者が発生。水道や都市ガスが止まりエレベーターが停止した高層ビルやマンションも目立った。日本の都市ではマグニチュード(M)6~7の地震がどこでも起こりうる。政治や経済活動が集中する首都圏では大阪北部地震の教訓を対策見直しに生かす必要がある。

大阪北部地震では大阪府高槻市で小学校のプールのブロック塀が約40メートルにわたって倒れ、通学途中の女児(当時9)が犠牲になった。高槻市の第三者委員会は倒壊の主原因について設計・施工不良や腐食による耐力不足と考えられると指摘。事故の背景には学校と市教育委員会、点検業者などの危機意識が希薄で、安全管理への責任の所在が明確でなかったことがあるとの見方を示した。

この事故を受け政府は12月、地方自治体が指定した災害時の避難路に面しているブロック塀について、19年1月から所有者に「耐震診断」を義務付ける耐震改修促進法の政令を閣議決定した。

●最悪の豪雨被害

200人超が死亡し「平成最悪の豪雨被害」となった7月の西日本豪雨では広い範囲で長時間にわたり雨が降り、各地で河川の氾濫や土砂崩れが発生した。

岡山、広島、愛媛の3県の被害が大きく、岡山県倉敷市の真備町地区では増水した水が川を逆流する「バックウオーター現象」で堤防が次々と決壊した。問題は犠牲者の大半が自宅で被災したことだった。

西日本豪雨で気象庁は過去最多の11府県に大雨特別警報を出した。しかし、特別警報の発表が主に夜間だったため、特別警報後に住民への避難指示を出した自治体も多く、住民の避難行動と結びついていない課題が浮かび上がった。

自治体の避難指示・勧告の対象は最大860万人超に上ったが、避難所に行った人は3万人に満たなかった。気象庁は「特別警報は最後通告のようなもの。警報段階から土砂災害や浸水の危険度マップなどを通じて地域の状況を確認してほしい」と呼びかけている。

●関空機能停止

9月4日、台風21号による猛烈な高潮と高波に襲われた関西国際空港は機能停止に陥った。大阪湾(大阪市)の潮位は関空の想定(2.93メートル)を超える3.29メートル。滑走路などが冠水し対岸からの連絡橋に流されたタンカーが衝突して使えなくなり、利用者や従業員ら最大約8千人が一時孤立した。旅客便の運航が一部再開したのは3日後だった。空港は重要インフラの一つで、関空を含め各空港は災害の想定と対策の練り直しが避けられない状況だ。

●ブラックアウト

大災害では電力供給の被害をいかに抑えるかが重要になる。厚真町で最大震度7を観測し、死者41人を出した9月6日の北海道地震では、国内で初めて電力会社管内の大規模停電(ブラックアウト)が発生した。停電戸数は約295万戸。北海道の推計によると、停電での営業停止による商工業の売上高への影響額は約1300億円超に上った。

一因は北海道電力が1カ所の火力発電所への電力依存度を高くしていた点にある。地震発生時、管内の約半分の電力需要をまかなう苫東厚真発電所(北海道厚真町)が停止したため、電力供給が滞り、大規模停電につながったとされる。

北海道と本州とをつなぐ送電線の細さも致命傷となった。送電線の容量は60万キロワットと、他の地域同士を結ぶ送電線の容量と比べて極端に少ない。19年3月までに90万キロワットに増やす計画だったが、地震発生時に間に合わなかった。

今回の大規模停電があぶり出したのは電力供給体制の弱さだ。大型火力などが被災すると供給力は一気に低下する。発電所が集中する地域は首都圏にもあり、電力各社は災害に強い電力供給体制作りを急ぐことが求められている。

●日ごろの備え

政府は各地の脆弱なインフラを洗い出し強化に乗り出している。ただ、災害対応は行政による「公助」だけでは不十分で、地域社会が連帯する「共助」や個人が取り組む「自助」も必要になる。危険が迫ってからの対応では遅く、一人ひとりが日ごろからいかに備えるかにかかっている。

◎2019年の注目ポイント。
 近年、広い範囲で長時間にわたり記録的な雨量をもたらす大規模な水害が相次いでいる。首都圏などの都市部も同様の事態を想定しなければならない。東京都東部の荒川や江戸川で大規模な氾濫が起きたら――。江東5区(墨田、江東、足立、葛飾、江戸川)は8月、集中豪雨で荒川と江戸川が氾濫した場合の広域避難計画を公表した。3日間の総雨量が500~600ミリメートル程度に達したという想定で、5区すべてを流れる荒川の沿岸の大半が3メートル以上浸水し、特に荒川が大きく湾曲している足立区の北千住駅周辺は5メートル以上浸水すると予想した。
 最悪の場合は約100万人が住む地域で2週間以上水が引かない可能性があり、高い階などへの垂直避難で浸水を避けることができても、電気やガス、水道が使えない生活に耐えなければならないという。氾濫リスクが高まると5区が共同で「広域避難勧告」を発し、住民の9割以上に当たる約250万人に自力で地域外へと避難してもらう。5区外の親戚や知人、勤務先など避難先の事前確保を呼びかけている。今や豪雨被害はどこで起きても不思議ではない。

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