契約社員の皆勤手当、支給を命令 差し戻し審で大阪高裁
同じ業務内容なのに正社員と契約社員で賃金や手当が異なるのは違法として、物流大手「ハマキョウレックス」(浜松市)の運転手が格差の是正を求めた訴訟の差し戻し控訴審判決が21日、大阪高裁であった。田中俊次裁判長は皆勤手当の不支給を違法と認め、同社に32万円の支払いを命じた。
訴えたのは同社の滋賀県内の支店に勤務する元有期契約社員、池田正彦さん(56)。同社の賃金体系が、有期契約を理由とする不合理な労働条件を禁じた労働契約法20条に違反するかどうかが争点だった。
田中裁判長は判決理由で、皆勤手当の趣旨を踏まえ、契約社員への不支給は「不合理」と結論づけた。また同条の施行時までに、正社員と契約社員の諸手当について、「均衡の取れた処遇とするように取り組むべき注意義務違反があった」と指摘した。
同社は「判決文を確認して対応してまいります」としている。
差し戻し前の大阪高裁は2016年7月、無事故手当や給食手当など4種類が契約社員にも支払われるべきだと指摘。最高裁は18年6月、大阪高裁判決を支持し、皆勤手当について、支給要件を満たすか検討すべきだとして審理を差し戻していた。
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