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東証、「1部」企業を削減へ 優良企業を選別

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東京証券取引所は主要企業で構成する第1部市場のあり方を見直す。1部での上場を維持できる時価総額の基準を引き上げるほか、他の市場から「昇格」するときの条件も厳しくする。1部で2100社超と先進国の中で断トツの上位市場の企業数を絞り込み、国内外の投資家が優良企業に投資しやすい環境を整える。

東証は「市場構造のあり方等に関する懇談会」(座長・神田秀樹学習院大院教授)を設けて、11月から議論してきた。年内にパブリックコメント(意見公募)をはじめ、来春をメドに報告書としてまとめる方針だ。

最大のテーマが主力の1部市場の位置づけだ。東証は企業数を絞り込むことを目的に、500億~1000億円の時価総額の基準を設けることを検討する。現行は20億円以上が条件で、1部に上がれば実質的に上場を維持できる仕組みになっていた。

20日終値をもとに計算すれば、東証1部企業は500億円以上なら約1000社に、1000億円以上なら約620社まで減少する。1部企業の数を減らす案と、1部の上にさらに上位の市場をつくるなど複数の候補から検討する。

1部の企業数(2131社)は、東証2部と東証マザーズ、東証ジャスダックの他の市場の企業の合計(1492社)より多い。海外では米ナスダックの「グローバル・セレクト」で1400社強、ロンドンの「プレミアム」で500社で日本の多さが際立っている。

1部企業への移行基準も見直す。新興企業向け市場のマザーズからは時価総額が40億円で1部に昇格できるのに対し、ジャスダックからは250億円とハードルが上がり、上場企業から「わかりにくい」との指摘が相次いでいた。

1部に上場すれば、代表的な株価指数である東証株価指数(TOPIX)の対象になる。日銀は年約6兆円の上場投資信託(ETF)を購入しており、株価の押し上げ効果が大きい。

1部の上場企業にはこうした投資マネーの流入を当て込み、企業価値の向上をおろそかにするケースも指摘されていた。1部の基準見直しでこうした状況の是正を図る。 新興企業を受け入れる市場のあり方も見直す。新規株式公開(IPO)する際の入り口としては2部、マザーズ、ジャスダックの3つが併存する。企業や投資家にとって差がわかりにくいため、スタートアップなど成長企業向けの市場としてマザーズとジャスダック・グロースを、実績のある中堅企業市場として2部とジャスダック・スタンダードを統合するなどして2つに再編することを検討する。

1部企業の削減などは、上場企業から強い反発が出る可能性がある。そのため、導入には十分は移行期間を設けることも必要になる。

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