国立大学法人に「理事長」 アンブレラ方式の統合で
国立大学法人が複数の大学を経営できる1法人複数大学制(アンブレラ方式)に関して、文部科学省の有識者会議は19日、法人の長と各大学の学長の役割分担などを盛り込んだ中間まとめを大筋で了承した。
経営を担う法人の長と、教育研究を担う学長をそれぞれ置くことで、教育と研究の質を高めつつ経営力を強化する。1法人1大学の現状の形態でも、法人の長と学長を分離できるようにする。
同省は来年の通常国会で国立大学法人法の改正を目指す。
現行の制度では1法人が1大学を運営し、学長が法人の長を兼ねる。アンブレラ方式では、法人の長がグループ全体の監督責任を負い、傘下大学の学長は教育研究、学生管理など大学の運営に専念する。
アンブレラ方式でも法人の長がすべての傘下大学の学長を兼任する場合もある。学長と分離するときの法人の長の名称は「理事長」とする。
法人の長は文科相が任命し、学長は法人の長が任命する。
名古屋大と岐阜大など、4組9大学でアンブレラ方式での統合に向けた協議が進んでいる。事務コストを減らし、教育・研究に回す資金を充実させる狙いがある。