後生に誇れるふるさとに 復興誓い厚真町で慰霊式
9月に発生した北海道の地震から100日たった15日、土砂崩れにより36人が亡くなった厚真町で町主催の慰霊式が開かれ、遺族らは黙とうをささげて献花し「後生に誇れるふるさとに」と復興への決意を新たにした。
式には遺族107人ら計577人が参列。遺族を代表して朝日地区で犠牲になった畑島武司さん(86)、富子さん(81)の次男武夫さん(57)は地震当日、駆けつけた実家が「信じ難い無残な光景」だったと振り返り「まだまだ傷だらけで復旧にはほど遠い厚真町ですが、いつまでも立ち止まっていることを故人も望んでいないと思う」と復興を約束した。
また宮坂尚市朗町長は式辞で、土砂崩れが発生から6秒ほどで到達したことに触れ「犠牲者は瞬く間に命を奪われ、伝えたい言葉も残せず、愛する家族を案ずるいとまもなく、さぞ無念だったと思う」と述べた。
亡くなった全員の名前を読み上げ「みなさんの歩んだ足跡や人生は、町民がしっかりと受け継いでいく」と決意を表明した。
9月6日未明の地震では、厚真町で震度7を観測。大規模な土砂崩れで家屋が押し流され、16~95歳の男性20人、女性16人が犠牲となった。道内では、札幌市や苫小牧市などで他に5人が亡くなった。
一時千人以上いた厚真町の避難者は、自宅に戻ったり、応急仮設住宅へ移ったりして全員避難所を出た。雪が降って寒さも厳しくなる中、被災者は復興の歩みを進めている。〔共同〕