偽ニュース理由に記者投獄、2年で3倍 民間団体調べ
【米州総局】世界中で「偽ニュース」を書いた疑いで投獄されるジャーナリストが増えている。ニューヨークに本部を置く民間団体、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)が13日公表した報告書によると2年間で3倍以上に増え、2018年には28人に達した。世界中で政府に批判的な声を「偽ニュース」だとして弾圧する動きが加速している可能性がある。
12月1日時点の状況をまとめたCPJのリポートによると、投獄されている記者の総数は251人。3年連続で250人を超える水準が続いた。
国別では、トルコが3年連続で最も多く、68人が投獄された。次いで中国が47人。エジプトは25人だった。上位3カ国の合計で、全世界の半数以上を占めている。サウジアラビア人記者のカショギ氏の殺害で注目されているサウジは、前年比2倍以上にあたる16人が投獄されている。
投獄の理由別では、政権転覆やテロなどの「反政府行為」が最多で、全体の7割を占める。理由の中で伸びが目立つのは偽ニュースで、人権団体のフリーダムハウスによれば、過去1年間でエジプトなど17カ国が偽ニュースを取り締まる法律を提出したり、施行したりした。