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出光、ベトナムでリスク抱え船出 43年ぶり製油所稼働

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出光興産は11日、ベトナムに新設した製油所で商用生産を始めたと発表した。日本企業の製油所新設は43年ぶりだ。国内はガソリン販売が落ち続けているため成長余力のある新興国を開拓する。ただ、ベトナムは計画時より需要の伸びが鈍化し、製油所の新設計画を撤回する動きもある。リスクを抱えた船出となる。

ベトナムの首都、ハノイ市中心部から南に車で約4時間30分。タインホア省で建設中だったニソン製油所が商業運転に入った。「ようやくこの日を迎えられる。これからベトナムの経済を支えていきたい」。出光興産やクウェート国際石油などが出資するニソンリファイナリー・ペトロケミカルの石田真太郎社長は振り返る。

ニソン製油所に出光は約1500億円を投じた。ベトナム国営石油会社、ペトロベトナムや三井化学なども出資する。原油処理能力は日量約20万バレル。ペトロベトナムが運営するズンクアット製油所(同約15万バレル)と合わせて国内のガソリン需要の大半を2カ所の製油所でまかなえる規模だ。

出光はニソン製油所に社運をかけている。参画検討を始めたのは2000年代初頭。1999年に国内のガソリン需要がピークを迎えて右肩下がりの時代に突入したことによる危機感が、総事業費で1兆円を超える巨大プロジェクトの決断を後押しした。

日本国内ではガソリンの供給過剰の懸念から、製油所新設は75年の愛知製油所(愛知県知多市)以来途絶えてきた。新設ノウハウが乏しいなか、ピーク時には約200人の技術者を送り、最新鋭の装置を設けて稼働にこぎつけた。出光の松下敬副社長は11日の都内の会見で「海外での製油所建設は我々の歴史で初めてのこと」と新規事業にかける意気込みを強調した。

ただ、検討開始から約15年が経過し、エネルギー業界を取り巻く環境は大きく変化した。安定した経済成長が続くベトナムでもガソリン需要は当初見通しほど伸びず、先行きが明るいとは言えない。出光は20年度に事業の黒字化方針を公表しただけで具体的な業績目標を表明できないでいる。

ニソン製油所はペトロベトナムがアジア市況に準じた価格でほぼ全量を引き取る。石田氏は「経営上のリスクが少なく、安定的な収益が長期にわたって見込める」と強調する。ただ、アジアの製油所で増産が続けば安い石油製品がベトナム国内市場に流入し市況が悪化するリスクがある。原油価格の低迷で収益が下がる恐れもある。

ベトナムの内需は日量約50万バレル程度だと同国政府は公表しているが「実際には40万バレル程度しかないのではないか」(ベトナムのエネルギー業界関係者)との見方が多い。現地報道などによると、00年代は年10%程度だったガソリン需要の増加ペースが、足元では5~6%の国内総生産(GDP)成長率を下回っている。

ベトナムでは主流のバイクから自動車へのシフトが想定よりも進んでいない。先進国に遅れて電気自動車(EV)などの非ガソリン車やバイクの普及も見込まれる。実際、11月下旬に同国の不動産最大手、ビングループが電動バイクを発売、19年には電動自動車の販売も計画している。

10月にはJXTGエネルギーが国営石油会社のペトロリメックスとベトナム南部で進めていた製油所計画が白紙になったことが明らかになった。ベトナム政府が供給過剰を理由に先行する2カ所の製油所と同規模の税制優遇を認めなかったためとみられている。

ここ数年、タイや英国系の企業も製油所の建設計画を事実上取りやめている。「今の状況ではアジアで巨額の投資に見合った利益を確保するのは難しい」(JXTG幹部)からだ。

出光の18年4~9月期の純利益は前年同期比80%増の1034億円と、同期間として過去最高を更新した。19年4月の昭和シェル石油と経営統合で利益の上積みを図る。ただ、国内の石油需要は99年から約3割減少し、30年にはさらに約2割も落ち込むとみられており、海外の開拓は不可欠だ。

出光の創業者である出光佐三氏はイランと直接取引で世界で初めて石油製品を輸入するなど海外に果敢に攻めてきた。創業者の反骨精神を受け継ぎ、日本企業で初となる海外の製油所を軌道に乗せられるか。異国でのビジネスの成否は出光の生き残りを左右することになりそうだ。

(ハノイ=大西智也、栗本優)

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