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迷走の革新投資機構 過去の実績と薄れる存在意義

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田中正明社長ら民間出身の取締役全員が辞任すると発表した産業革新投資機構(JIC)。子会社のINCJ(旧産業革新機構)の出資済み案件に影響はない見通しだが、2019年春から新規出資はJICが担う予定だった。今回の迷走を受けて、官民ファンドの存在意義を問い直すべきだとの意見も出ている。

「INCJの(新規や追加の)投資活動は来年3月で終わる。JICとして年内に国内ファンドの枠組みを整えて、4月以降投資できる体制を作りたかった」。10日の記者会見で、田中社長は悔しさをにじませた。

JICはINCJの改組投資会社として今年9月に発足。政府保証枠の約2兆円にINCJが回収した資金、民間資金も集めて運用する計画だった。人工知能(AI)やバイオなど成長分野の投資を重視し、個々の案件に経済産業相の意見聴取を不要にした点が特徴だった。

INCJは09年7月に発足。液晶メーカーのジャパンディスプレイなど、大企業の救済色が強いと批判を受けてきた。ただリーマン・ショックでスタートアップへの投資が落ち込む中、民間ベンチャーキャピタル(VC)が手掛けにくかった宇宙や研究開発型の新興企業に投資して成長させた実績はある。

7月末時点の国内スタートアップの投資件数は累計106件、累計投資額は2357億円にのぼる。国内年間VC投資額の2倍に相当する。

アクセルスペース(東京・中央)やispace(同・港)など宇宙系や、タベルモ(川崎市)など新素材、電動車いすのWHILL(横浜市)、AIのABEJA(東京・港)などに出資。今や国内有数のスタートアップに数多く投資してきた。

起業初期ではなく、「レイター」と呼ばれる成長段階のスタートアップへの投資家が少ないことが、日本の課題とされてきた。「起業初期に投資するVCは増えたが、INCJは数少ないレイター投資家でもあった」と、ある再生医療系スタートアップの最高経営責任者(CEO)は語る。

グローバル・ブレイン(同・渋谷)やインキュベイトファンド(同・港)など民間VCのファンドへの出資もあった。「今の投資先をみれば、INCJが有望スタートアップを育てた面は否定できない」と、INCJから出資を受けるある民間VC幹部は語る。

INCJを改組して、より柔軟でスピード感のある投資を目指したJIC。「INCJの組成済みファンドは大丈夫だろうが、(JICが)新たに作るファンドはできるのか心配だ」。INCJの出資を受けるAI系スタートアップ幹部は語る。

宇宙系企業はこれから事業化に向けて投資が必要になる分野だ。それだけに「長期的な事業化を支援するリスクマネーは日本が海外に比べてもともと弱い分野。官民ファンドははそれを担う存在なので継続してやっていってほしい」と、ある宇宙系企業の幹部は述べる。

ただ、INCJができた09年と今では、スタートアップの投資環境は大きく変わった。専業VC以外に大企業によるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)が立ち上がり、事業会社の直接投資も増えてきた。

日本のVC投資に関心が薄かった国内の機関投資家も興味を持ち始めている。研究開発型や大学発ベンチャーに特化したVCも出てきた。18年の国内スタートアップの資金調達額は、6年前の6倍に膨らむ見通しだ。

「政府出資の投資会社が、民間と同じように自由に出資するのはおかしいのではないか。活発になった民間投資を支えるなど、今回の問題を契機に官民ファンドの役割を改めて見直すべきではないか」。研究開発型企業への投資に強いVC首脳は指摘する。

フランスやイスラエルなど政府がスタートアップを支援する動きが世界で増えている。その場合も民間VCの助成や、スタートアップの税制優遇や海外進出後押しなど、側面支援の色合いが強い。

政府は「J―スタートアップ」と称して、23年までに企業価値10億ドル(約1100億円)以上のスタートアップを20社生み出す計画を掲げている。世界に通用するスタートアップを日本から持続的に育てる環境を早急に作らないと、日本経済の活性化はおぼつかない。(榊原健)

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産業革新投資機構(JIC)とは、官民ファンドの産業革新機構を改組して2018年に立ち上がった組織。オープンイノベーションを通じた産業競争力の強化と民間投資の拡大という政策目的の実現に寄与することを目的とし、原則として、ファンドの組成やファンドへの投資を通じた企業への投資を行う組織。大規模投資のニュースなどをまとめました。

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