IHI、愛知事業所跡地を大同特殊鋼に売却
IHIは10日、液化天然ガス(LNG)タンクの生産を終えて遊休資産となっていた愛知事業所(愛知県知多市)の一部を、隣接する大同特殊鋼に譲渡することで合意したと発表した。同事業所は1970年代に造船所として開設した工場。IHIは成長が期待できる航空関連を中心とした事業構造へと転換を進めており、船舶関連の事業を切り離して改革を加速する。
売却するのは愛知事業所のうち20ヘクタール分の土地と一部建物。2019年3月末に売買契約を結び、19年度半ばに所有権を移転する予定という。IHIは譲渡価格は明らかにしていないが、売却益約50億円を20年3月期に計上するとしている。
愛知事業所は面積約70ヘクタール。全長800メートルの大型ドックを備え、国内三大造船所と呼ばれた規模があった。ただ、度重なる造船不況で2011年に造船をやめ、その後はLNGタンクなどを手掛けていた。18年8月に最後の製品となる船舶用のLNGタンクを出荷し終え、従業員も異動。事実上閉鎖した。