GDP年率2.5%減に下方修正、7~9月改定値 設備投資弱く
内閣府が10日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.6%減、年率換算で2.5%減だった。11月に発表した速報値(前期比0.3%減、年率1.2%減)から大幅に下方修正した。企業の設備投資が速報段階の推計値から大きくマイナス方向に振れた。
マイナス成長は1~3月期以来の2四半期ぶり。年率2.5%のマイナスは、前回消費増税直後の2014年4~6月期(7.3%減)以来となる4年1四半期ぶりの大きさだった。
設備投資は実質で前期比2.8%減。速報値(0.2%減)から大幅な下方修正で、マイナス幅は09年7~9月期以来の9年ぶりの大きさになった。財務省の7~9月期法人企業統計でソフトウエアを除く設備投資が前期比で4.0%減(季節調整済み)だったことを踏まえ、GDP成長率を推計しなおした。卸売り・小売業や情報通信機械の伸びが鈍かった。
設備投資の大幅な下方修正により、GDP成長率に対する内需の寄与度は0.5%減と速報(0.2%減)から下ぶれた。外需の寄与度は0.1%減で変わらなかった。
物価変動の影響を加味した名目GDPも前期比で0.7%減、年率2.7%減と速報値(0.3%減、年率1.1%減)から大幅な下方修正となった。これも12年4~6月期以来の大きなマイナス幅だった。
内閣府は7~9月期のマイナス成長について、自然災害に伴う一時的な落ち込みの可能性を指摘。設備投資の減少は4~6月期まで7四半期連続でプラスだった反動ともみており、景気は「緩やかに回復している」との見解を維持した。
ただ、7~9月期のマイナス幅は市場予想より大きく、政府の経済見通しは下方修正の可能性が出ている。内閣府が7月に公表した18年度の実質GDP成長率見通しは1.5%程度。達成のためには10~12月期、19年1~3月期の成長率がそれぞれ前期比で年率6.1%程度と高い伸びが必要だ。