記者殺害後、皇太子に助言 難局克服とクシュナー氏
【ワシントン=共同】米国在住だったサウジアラビア人記者カショギ氏の殺害事件を巡り、9日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、トランプ大統領の娘婿クシュナー大統領上級顧問が、事件後に、関与が疑われるサウジのムハンマド皇太子に個人的なメッセージを通じて「難局をどう乗り切るか」を助言していたと報じた。
米、サウジ双方の関係者の話としている。クシュナー氏とムハンマド皇太子の親しい関係は知られているが、疑惑が強まる最中での米政権幹部の不用意な行動として批判を呼びそうだ。
クシュナー氏は通信アプリ「ワッツアップ」や電話を通じて皇太子とやりとりしていたという。事件に絡む助言の詳細は不明だが、サウジが中東で抱える紛争を早期に解決し、事態を収拾するよう促した。米情報機関が皇太子が殺害を命じたとの結論に傾く中、クシュナー氏は皇太子にとってホワイトハウス内で「最大の擁護者」になったとしている。
トランプ氏もサウジとの経済関係を重視し、事件後も皇太子を擁護する姿勢を堅持してきた。クシュナー氏は政権の中東政策を主導、トランプ氏の大統領就任後初の外国訪問先にサウジが選ばれたのもクシュナー氏の影響だったとされる。