「トランザム」が閉幕 米スタートアップなど表彰
交通・移動手段とIT(情報技術)との融合をテーマに、日本経済新聞社が主催したイベント「TRAN/SUM(トランザム)」が8日、閉幕した。国内外のスタートアップ25社が事業計画を競ったコンテストでは、道路に設ける専用車線と走行させる特別な車両を新規に開発する米ウェイフェアラーなどを表彰した。
ウェイフェアラーの構想は、投資金額を大幅に削減でき、自治体などの負担を抑制できるという点などが評価され、PwC賞を受賞した。PwC賞はクロアチアのステミにも贈られた。自律走行型車両のプログラミングなどを学べる教育用プラットフォームを手掛ける。子供でも理解できる模型も用意した。
日本マイクロソフト賞は、位置情報を解析し、人の流れを推定・予測するワンフォール・ラボ(東京・港)と、同じ目的地への旅行者同士が交流したり、空港の免税店情報などを取得したりできるアプリを提供する台湾のブレイソリューションズが受賞した。
倉庫を必要なとき必要なだけ利用する物流シェアリングサービスのsouco(ソウコ、同・千代田)と、超高速充電技術を活用した、都市交通向け電動バイクの中国イボーク・エレクトリック・モーターサイクルズの両社は、日経賞と三井不動産賞を同時受賞した。
コンテストに参加したスタートアップ企業はまた、期間中の3日間、会場内に専用ブースを設け、事業内容の説明に取り組んだ。海外勢を中心に、日本の大手企業の新規事業関係者らと商談に盛り上がっていた。
イベント会場は先駆的な製品や模型の展示でにぎわった。スタートアップ企業のglafit(和歌山市)は自転車のようなペダルも備えた電動バイクの体験乗車コーナーを設けた。一時、列もできるほどだった。折り畳んで専用スーツケースで持ち運ぶことも可能だ。NECは大型無人機の模型を展示。NearMe(ニアミー、東京・千代田)は相乗りタクシーサービスを紹介していた。
会場で飲食を提供するフードトラック・キッチンカーはスタートアップ企業のMellow(メロウ、同・渋谷)が用意した。同社は料理を提供する約350社のキッチンカーを束ね、東京や横浜など70カ所以上に配車するプラットフォーム事業を展開している。
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