資源関連株が逆行安 投資家の根強い警戒映す
7日の東京株式市場では石油株や非鉄株など資源関連株が軒並み逆行安となった。世界経済の減速懸念が根強いなか、資源需要が低迷するとの見方が広がり国際商品市況が軟調なことが背景にある。日経平均株価は4日ぶりに反発したものの、投資家は先行きへの警戒を緩めていない。
7日の日経平均は前日比177円(0.8%)高の2万1678円だった。日経平均は前日までの3日間で約1000円下落しており、買い戻しが入りやすかった。
こうした中、下げが目立ったのが資源関連の銘柄だ。JXTGホールディングスは一時、前日比4%安の630円50銭と8カ月ぶりの安値をつけた。出光興産など他の石油株も軒並み安となった。6日の石油輸出国機構(OPEC)総会では減産量で合意できず継続協議となり、米市場で原油先物価格が下落したことが嫌気された。
三菱マテリアルや三井金属など非鉄株も売りに押された。銅やニッケルなどの価格が低迷しており、採算悪化に伴う業績下振れ懸念が出ている。市況関連では、新日鉄住金など鉄鋼株にも売りが膨らんだ。これらの銘柄は昨年末比でみても日経平均より下げがきつい。
背景には世界経済の不透明感がある。中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)幹部が米国の要請でカナダで逮捕されたのを受け、市場では「米中対立の根深さが改めて意識された」(岡三証券の小川佳紀氏)。米中の通商交渉が不発に終わり、米国が関税引き上げに踏み切るリスクにも目配りせざるを得なくなった。貿易戦争が長引けば景気にはマイナスだ。
もっとも「世界景気の減速懸念を織り込みすぎだ」(いちよしアセットマネジメントの秋野充成氏)との指摘もある。秋野氏が注目するのは「CRB原材料価格指数」だ。銅や鉄など国際商品の中でも特に経済との関連性の高いものの価格で構成され、景気に対する先行性があるとされる。
この指数は年初から低下してきたが、足元では下げ止まっている。この先、景況感が回復に向かうことも考えられ「資源関連株への売り圧力も弱まる」(秋野氏)との見方もある。
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