東京医大、希望者5人の入学認めず 追加合格判定で
医学部の入試不正問題で東京医科大は7日、2017、18年度の入試で本来は合格ラインを越えていた受験生計101人の追加合格を判定した結果、44人を合格にしたと発表した。入学を希望したのは49人で、残りの5人は不合格とした。
受験生の支援団体などはこれまで希望者全員の追加合格を認めるよう求めており、反発の声が上がりそうだ。
東京医大では女子や多浪生らを不利に扱うといった得点操作が判明。同大は第三者委員会の調査を踏まえ、合格ラインを超えたのに不合格になっていたのは17年度に32人、18年度に69人の計101人だったと公表。追加合格の判定では入試方法ごとに成績順で在校生と希望者の上位から埋め、定員に達したところで打ち切るとしていた。
同大は11月末までに追加合格判定の対象者に入学意向の確認書を送付。返送したのは78人で、このうち入学を希望したのは49人だった。追加合格の判定では17年度の一般入試、センター試験利用入試、推薦入試の合計で男子8人、女子6人が合格。18年度は男子7人、女子23人を合格とした。不合格になったのは、18年度に一般入試を受けて判定対象だった女子5人。
追加合格者は19年4月の入学が認められる。これを受け19年度入試の募集人員は、一般入試を当初予定の75人から34人、センター試験利用入試を15人から12人に減らす。追加合格者から入学辞退者が出た場合は、両入試区分の19年度の募集人員を増やす。
また17年度、18年度の成績も開示する。希望者向けに近く特設サイトを設け、申し込みを受け付ける。開示するのは得点と順位。
柴山昌彦文部科学相は7日の閣議後記者会見で「落ち度がないのに不安定な状況に置かれ、その上で不合格となった方がいるのは大変残念」と話した。一方で合格者の判定は各大学の判断で、同大の決定を尊重する考えを示した。