VWも不適切検査 燃費・排ガスで 条件逸脱も「有効」に
独フォルクスワーゲン(VW)の日本法人、フォルクスワーゲングループジャパン(愛知県豊橋市)は5日、新車を出荷する前の完成検査で不適切な事案があったと発表した。燃費と排ガスの測定で本来は無効とすべきデータを有効として扱っていた。測定値の書き換えはなく、「燃費・排ガス値そのものに影響はない」(同社)とリコールはしない方針。
試験速度が誤差の範囲を超えていたり、試験室の湿度が条件外でも「有効」としていた。2012年から18年にかけて、南アフリカとドイツの2工場で生産した新車のうち、抜き取り検査をした1113件の7%にあたる83件で不適切な検査が見付かった。「ポロ」や「ゴルフ」といった国内の販売車種の多くが含まれる。
VWは再発防止策として19年中ごろまでにデータの記録や判定を完全に自動化するシステムを2工場へ導入する。東京都内で記者会見したVWジャパンのティル・シェア社長は「顧客に心配をかけることになり、おわびする」と陳謝した。
輸入車で不適切な検査が発覚するのは9月末のアウディジャパン(東京・品川)に続く2例目。VWジャパンは国土交通省からの調査要請に9月時点は「問題ない」と回答していた。その後、自らで調査範囲を拡大した所、不適切な検査が見付かった。