バイオ航空燃料、MHPSやIHIが実用化に本腰
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は3日、木くずを原料とした航空機向けバイオジェット燃料を合成する実証設備を建設すると発表した。2020年度に小型ジェットエンジンを用いて検証する。IHIも同日、昭和シェル石油と藻類由来のバイオジェット燃料の供給体制構築を検討すると発表した。環境に配慮した航空機燃料の開発競争が激しくなりそうだ。
MHPSは中部電力、東洋エンジニアリング、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、製造実証設備を中部電の新名古屋火力発電所(名古屋市)内に建設する。19年度中に試運転を始め、1日当たり約20リットルのバイオジェット燃料を製造する計画だ。
木質系バイオジェット燃料は化石由来の燃料に比べ、燃やしたときに発生する二酸化炭素(CO2)排出量が3分の1程度に抑えられるとされる。MHPSなどは製造技術の確立を急ぐ。
IHIは昭シェルと連携し、国際規格に適合した藻類由来のバイオジェット燃料の製造から出荷、航空機までの給油体制構築まで課題と対策を検証する。
MHPSやIHIは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業としてバイオジェット燃料の開発に取り組んでいる。