JR東日本がスタートアップ協業プログラム
JR東日本は29日、スタートアップ企業との協業プログラムの発表会を開いた。182件の募集を基に審査して、通信システムのピコセラ(東京・中央)をグランプリ表彰した。今年2月にベンチャーキャピタル(VC)を設立。事業と資金の両面で新興勢を支え、鉄道の膨大なインフラやデータを活用して新ビジネス創出に弾みをつける。
「JR東日本スタートアッププログラム2018」の発表会を開いた。昨年に続き2回目だがVC設立後初となる。今年4月から募った企業のうち、テストマーケティングを行う企業18社、事業構想の具体化を狙う企業5社を採択。その中からピコセラが「スタートアップ大賞」を受賞した。
ピコセラは従来設置困難な場所に、独自技術を使った屋外無線LAN(構内情報通信網)を置けるシステムを提案。インバウンド客の行動分析もできる。トンネルや列車での設置が可能性だとみる。同社の古川浩社長は「大企業のパワーを生かして事業を伸ばしたい」と感想を述べた。
人工知能(AI)を活用した新幹線の混雑予測するメトロエンジン(同・港)や、新幹線の自動改札で手荷物検査装置の開発を提案したANSeeN(アンシーン、浜松市)などが採択企業となった。駅施設の活用以外に、顧客や運行情報の解析などJR東が持つ膨大なデータを使った提案が目立った。
JR東は今年2月に出資枠50億円でVC、JR東日本スタートアップ(東京・渋谷)を設立。すでに駐車場シェアサービスのakippa(アキッパ、大阪市)などに出資している。