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資産価格や企業債務に不安 FRBが金融安定報告

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【ニューヨーク=大塚節雄】米連邦準備理事会(FRB)は28日に公表した金融安定報告で、資産価格の高騰や企業債務の膨張を潜在的な不安要素に挙げた。短期的なリスクに英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱や貿易摩擦などを指摘し、顕在化すれば、資産価格が急落する可能性があるとの認識を表明した。

報告はFRBが金融システムの現状や問題をどのように把握しているかを定期的に示す目的で新たに公表した。報告では10年前の金融危機と比べ、金融機関の健全性が格段に高まったほか、家計の債務状況も総じて健全だとの見方を示した。

これに対し、株価や不動産、社債などの資産価格は「歴史的な水準と比べて高い」と判断し、「投資家のリスク選好が強まっている」と分析した。株価が企業の収益見通しとの対比でやや高まっているとしたほか、商業用不動産の価格が賃料と比較して高い伸びを続けている点を指摘した。

企業債務の水準については国内総生産(GDP)との対比で「歴史的にみて高い水準」としたほか、信用力の低い企業向けの融資(レバレッジド・ローン)などの融資基準が「劣化している」と警鐘を鳴らした。

FRBのパウエル議長は28日の講演で報告にも触れ、企業債務などに警戒感を示した。そのうえで「現時点で金融市場や金融システムの全体に脆弱性が高まっているとはみていない」と語り、米金融は総じて安定しているとの見解を示した。

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