仏経財相「ルノー日産の出資比率変更望まず」
【パリ=白石透冴】フランスのルメール経済・財務相は28日、仏ニュース専門チャンネルLCIに出演し、仏自動車大手ルノーと日産自動車の連合について「バランスがとれている。2社が互いの出資比率を変えることを望まない」と述べた。日産はルノー優位の連合になっているとして変更を検討しているが、けん制した格好だ。
ルメール氏は「ルノーの最高経営責任者(CEO)が連合トップであり続けるべきだ」とも語り、ルノー出身者が連合を率いるべきだとの考えを改めて示した。「連合のガバナンスはルノーCEOが率いると決まっている」とも強調した。
逮捕されたルノー会長兼CEOのカルロス・ゴーン容疑者が連合トップだが、職務の継続が難しくなっている。ルノーの実質トップはティエリー・ボロレ暫定副CEOが就いており、ルメール氏はゴーンCEO不在の間はボロレ氏が連合を率いるべきだとの考えを示唆した。
ルノーは日産株43%を持つ一方、日産はルノー株15%を持っている。仏会社法の規定により、日産はルノーで議決権を持っていないなどルノーが優位の関係になっている。
日産とルノー、それに三菱自動車の3社連合トップは29日に協議する。連合の見直しも議題になるとみられている。ただルノー筆頭株主である仏政府は、ルノーが主導的な立場を持つ今の連合の形を譲れないと考えており、協議は難航する可能性もある。
日産自動車が選択を迫られている。
内田誠新社長のもと、業績をどう立て直すのか、筆頭株主である仏ルノーとの関係をどう再構築するのか。