心臓手術の女性患者死亡 京大病院で医療事故
京都大病院は26日、6月に実施した60代の女性患者の心臓手術で、肺動脈カテーテル(細い管)で心臓を傷つける医療事故があり、女性が約4カ月後に低酸素脳症で死亡したと発表した。カテーテルの位置を調整しようと引き抜こうとした際、心臓を損傷、出血したとしている。
稲垣暢也病院長は京大病院で記者会見し「肺動脈カテーテルの使用に関するルールに不十分な点があり、患者さんがお亡くなりになった。ご家族に深くおわび申し上げます」と謝罪した。
女性は大動脈弁狭窄(きょうさく)症と診断され、人工弁に置き換える手術のため、先端にセンサーが付いた直径約3ミリのカテーテルを手術前に首から肺動脈に挿入しようとした。ところが適切に挿入できなかったため、カテーテルを心臓の右房にとどめ、手術を始めた。
手術後、カテーテルを引き抜こうとすると大量に出血。手術中の縫合によって、誤ってカテーテルが心臓に縫い付けられた可能性があるという。〔共同〕