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言葉でたどる大谷翔平の18年シーズン(後編)

スポーツライター 丹羽政善

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大事な場面で三振を取れば、マウンド上で感情をあらわにする大谷翔平(エンゼルス)だが、記者会見の表情から読み取れるものは決して多くはない。とはいえ、ときにその素顔や価値観をのぞかせることがある。大谷が2018年シーズンに節目で残した言葉をたどるその後編――。

6月6日の登板後に右肘の張りを訴えると、大谷は離脱。しかし、投手のリハビリをこなしながら、7月3日にまず打者として復帰した。

「3週間離れていたので、なかなかもどかしい気持ちでいましたけれど、こうやって試合に出られるというか、そういうところではすごくうれしいかなと思います。一日も早く戻ってきたいなと思っていたので、まずは実戦に復帰できたのはよかった」

ただ、打者としての出場が増える中で、結果が出ないことも少なくなかった。7月10日、大谷は左投手から安打を放ったが、それは22打席ぶりのこと。単純に対戦数が少ないということもあったが、大谷はこう解釈していた。

「軌道は少し違うのでやっぱり慣れていかないといけない。そこにしっかり対応していかないといけない。常にどうやったらうまくなるかなっていうのを、それはもう右も左も関係ないのかなと思うので、そこだけ考えて今の打席よりも次の打席がよくなるように工夫してやりたいなと思います」

なお、まだこのころはゴロの打球が多かったが、大谷はこんなことを感じていたそう。

「ピッチャーも違うので、意識の違いだけじゃない。思ったより(ボールが)沈んでいたりとか、手元までこなかったりとか、微妙なところかなとは思う」

大谷の試行錯誤は続いていた。

「いいことも悪いことも経験に」

5日後の7月15日に前半が終了。大谷はまず、こう総括した。

「すごくいい経験がたくさんできたんじゃないかなと思います。初めての経験ばかりだったので、いいことも悪いことも自分の経験になるんじゃないかなと思います」

どこがよかったのか。すると大谷は直接答えず、こう話している。

「そこは表裏一体だと思う。いい結果が出るときと、悪い結果が出るときと。もちろん、いい結果が出たほうがいいんですけれど、悪かったときにどう捉えていくかっていうのがすごく大事だと思います。それをいい方向に持っていくことがすごく大事だと思うので、その繰り返しだと思っています」

開幕直前になって打撃フォームを変えたこともそうしたことの一つ。

「フォームは常に変わるものだと思っているので、それがシーズン前なのか、シーズン中なのかっていうのは、特に僕としてはあまり大きな違いではない。よりよい方向に持っていくために、どのタイミングで変えるかっていうのは、それほど大事じゃないと思っています」

オープン戦で苦しんだこともプラスでしかなかった。

「あそこでの経験はすごく重要だったんじゃないかなとは思っている。すごくいい経験ができたなと思っています」

7月の「停滞」の意味とは…

さて7月。月間打率が2割3厘に低迷。22試合に出場し、69打席で23三振を喫した。俗にいうスランプだが、そのときの状態を大谷はこう位置づけた。

「停滞」

意味するところをこう説明している。

「状態的には、そんなに変わってはない。微妙なズレだったりとかはもちろんあるんですけれど、これはことが進んでいる中での停滞なのかなと思っている。そこをどうやって変えていければいい流れになるのかっていうのは、ある程度はわかるんです。そこを実戦の中で結果に結びつけていくというのはすごく難しいことなので、そこに向けてやっていくしかない」

ある程度はわかる、とはどういうことか。

「常にそういうのはあるのかなと思います。それはここでやっていてもそうですし、小さいころから(野球を)やってきてそういうところばかりなので、うまくなればまた打てるようになるし、もっともっと先のバッティングが見えてくるのかなと思う。楽しみな部分もあるんです。もちろんシーズン中なので、目先の一本を欲しくなるところではあるんですけれど、長期的に見て何が大事になるのかというのも大事」

言葉通り、やがて停滞期を抜けると、彼が言うように先が見えてきた。8月3日のインディアンス戦では5打数4安打、2本塁打、3打点。このころ、一つの変化が顕著となった。あれだけ上がらなかった打球に角度がつくようになったのである。

8月18日に13号3ランを放った後、大谷は「たまたまではない」と言った。

「やっぱりいいスイングをしているときは、比較的こう打球が上がりやすい傾向があるんじゃないかなと思います。それはどのバッターも一緒だと思うんですけれど、その方が(ボールとバットの)接点も多くなりますし、まあ、いい傾向だなと思っています」

「接点」とは独特の表現。接点が小さくなればフライかゴロになる。大谷の打撃理論の一端がうかがえた。

その後、9月2日に投手として復帰を果たした。初回には時速99.3マイル(約160キロ)を記録するなどした。

「そんなに力を入れるつもりはなかったんですけれど、人(観客)が入っていてこういう上の舞台(メジャー)で投げるっていうところで勝手に出力が上がってしまった。それなりにいいボールはあったんじゃないかなと思います」

ところが、三回に入って一気に球速が落ちて降板。当初は「初回から感じていた腰の張りと、打球を素手で捕りにいったときに右手薬指を痛めたことが原因」とマイク・ソーシア監督(当時)は説明したが、3日後、痛めていた右肘の靱帯に新たな損傷が見つかったと、球団から発表された。

ステップアップへ手術を選択

その9月5日、大谷は4打数4安打、2本塁打の活躍だったが、取材に対応することはなかった。けがについて話をしたのは9月15日のこと。大谷は「百パーセント予想しなかったことではない」とし、続けた。

「正直、ある程度準備はしていましたし、突発的なけがではなく、長年の疲労も含めたことなので、ピッチャーなら誰でも準備はしていることではある。正直そこまで、メンタル的に落ちているっていうことはなかったかなとは思う。むしろ、周りの人が心配してくれたりとか、落ち込んでいるとかっていうほうが強かったので、特に僕がなおさら落ち込むことはなかったかなと思います」

大谷が右肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けると発表したのは9月25日。それは同時に来季の登板がなくなることを意味したが、打者としては開幕から出場が可能かもしれない、という状況での決断だった。

「もちろん残念な気持ちはあります。けれど、普通なら1年半は試合に出ることができないので、その中でまだ貢献できるものがあるということは、むしろプラスかなとは思っている」

何より、こんな思いがあった。

「(手術を)しないならしないに越したことはないと思います。それで自分の百パーセントが出せるならやらない方がいいと思うんですけれど、そうではないと思った」

手術をしない選択肢もあった。しかしそれでは、百パーセントの力で腕を振るときに怖さが残る。結局は常にそうであったように、大谷はステップアップのために手術を選択した。

さて来季――。打者としての復活にもはや、誰も疑いを持たない。問題はその時期。回復、リハビリが順調ならば、開幕のスタメンに名を連ねることも可能だ。

大谷が打者としてフルシーズンを過ごしたらどうなるのか。

今季途中、非凡な打撃センスを目の当たりにし、多くがそうした思いに駆られた。それは同時に、投手・大谷が見られなくなることを意味するため、痛しかゆしだったが、経緯はどうであれ、そのことが現実になろうとしている。

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