陛下、最後の新嘗祭に 国民の安寧祈り
天皇陛下は23日夜、国民の安寧と五穀豊穣(ほうじょう)を祈る宮中祭祀(さいし)「新嘗祭」に臨まれた。新嘗祭は古来より歴代天皇から受け継がれてきた最も重要とされる儀式で、2019年4月末に退位される陛下にとって今回が最後。
新嘗祭のルーツは、稲の収穫祭。現在は皇居・宮中三殿に隣接する「神嘉殿」で営まれており、純白の「御祭服」という装束を着た陛下が新穀を神々に供え、食し、国民の安寧を祈られる。
儀式は午後6時から8時までの「夕(よい)の儀」と午後11時から翌24日午前1時までの「暁の儀」から成る。宮内庁は健康への影響を考慮し、09年から陛下の拝礼時間を短縮。14年からは「暁の儀」への出席がなくなったが、陛下は儀式終了の報告が入るまで御所で待機されているという。
陛下が担われてきた新嘗祭などの宮中祭祀は代替わり後、皇太子さまに全て引き継がれる。即位後最初に臨む新嘗祭は「大嘗祭(だいじょうさい)」と呼ばれ、19年11月に執り行われる。