万博投票権20カ国が回復 日本に有利かは「不透明」
【パリ=中川竹美】日本が大阪誘致を目指す2025年国際博覧会(万博)で、全170の博覧会国際事務局(BIE)加盟国のうち、分担金を支払わずに投票権を失っていた約20カ国が分担金を支払い、投票権を回復したことが誘致委員会関係者への取材で分かった。開催国を決める23日のBIE総会での投票には150カ国超が投票する見通しとなった。
誘致委関係者は投票国の増加が日本に有利に働くかは「不透明」としている。誘致委は投票権を回復した国への働きかけも含め、最終盤に向けて票の積み上げを図る。
投票権を持つのは分担金を納めた国で、10月末時点で約130カ国とされていたが、11月に入り約20カ国が権利を回復したもようだ。前日の22日までに分担金を支払えば投票が可能になるため、「最終的に投票する国の数は160超に上るのでは」(誘致委幹部)との見通しもある。
誘致委関係者は「投票国の増加が日本に有利か不利かはわからない。投票権を回復した国はもちろん、未納国にも最後の働きかけをする必要がある」と気を引き締める。
終盤に入り日本への支持を明らかにする国も増えつつある。パリを訪れている大阪府の松井一郎知事は20日夕(日本時間21日未明)、パラグアイが新たに日本支持を表明したと明らかにした。誘致委関係者の一人は「アジアや中南米はほぼ支持を固めた」としている。
松井知事や大阪市の吉村洋文市長は21日も、国や経済界の幹部らと共に複数のBIE加盟国の政府関係者と会談。昼食や夕食などの機会を捉え、最後まで日本への支持を呼びかける予定だ。
2025年に開催される大阪・関西万博のニュースや特集をまとめました。参加国やパビリオン、地元の動きなど最新情報をお伝えします。