即位儀式、簡素化で皇室負担を軽減 予算規模も縮小
政府は皇太子さまの新天皇即位に伴う一連の儀式をできるだけ簡素にする方針だ。平成の代替わりと比べ回数や参列者数を絞り込み、皇室の負担軽減や予算規模の縮小につなげる。20日に安倍晋三首相が委員長を務める「式典委員会」の第2回会合を首相官邸で開き、2019年度予算案への計上が必要な4つの儀式の概要や規模を決めた。
新天皇の即位後に国内外の賓客を招く祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」は前回、4日間連続で7回開き約3400人を招待した。すべて着席形式で、初日を除き昼夜2回開いた。
今回は19年10月22、25、29、31日の4日間で合計4回に減らす。1日1回の開催で着席2回、立食2回とする。宮内庁の山本信一郎長官は会合で「大変重い儀式や行事が連続して挙行される。参列者数は前回から削減すべきだ」と提案。首相は「現在の時代情勢を踏まえ、2600人程度を招待する」と表明した。
新天皇が即位を宣明する「即位礼正殿の儀」の招待者数は前回と同じ2500人程度にする。前回は中庭に仮設ステージを設けたが、今回は既存の部屋や廊下を活用してスペースを確保する。
祝賀パレード「祝賀御列の儀」で使う車両は国産のオープンカーを新たに購入する方向だ。平成の代替わりでは英ロールス・ロイス製のオープンカーを約4000万円で購入したが、07年に廃車となり改修に約1800万円かかる。
首相は新調する車両について「祝賀御列の儀で使用した後は政府全体で諸行事に活用する」と述べた。式典委事務局によると、20年東京五輪・パラリンピック後のパレードへの貸し出しなどを想定しているという。