「丹波篠山市」誕生へ 住民投票、改名賛成多数
推進派前市長が4選
「丹波篠山市」への市名変更の賛否を問う兵庫県篠山市の住民投票と、前市長辞職に伴う出直し市長選が18日投開票され、住民投票は改名賛成が反対を上回った。投票率は69.79%。市長選は改名推進派の前市長で無所属の酒井隆明氏(64)=自民、国民、公明、維新推薦=が4選を果たした。市によると、自治体の改名を巡る住民投票は全国初とみられる。
酒井氏は開票後に「直ちに市議会で市名変更を提案したい」と発言。市議の多くがこれまでに投票結果に従うと述べており、改名が確実になった。早ければ来年5月に実現する。
市長選は、酒井氏が無所属新人の元市議、奥土居帥心氏(60)を破った。改名を進めてきた酒井氏の市政運営への評価が主な争点となった。住民投票の改名賛成は1万3646票で、反対を3128票上回った。
投票を請求した市民団体「名付け親になろう会」の代表、小寺恵美さん(35)は「全国初となる住民投票が成立したことを誇りに思う」と話した。
市選挙管理委員会によると、当日有権者数は3万5005人。約3割に当たる1万479人が期日前投票を済ませ、2011年市長選より6034人増えた。市長選投票率は69.80%で、11年を21.35ポイント上回り、過去最高だった。15年の前回選挙は無投票。
市条例には投票率50%未満なら住民投票は不成立となり、開票されない規定があった。
改名は、丹波黒大豆などの特産品産地だと分かりやすくするために農家や経済団体が要望して検討が進んだ。一方、行政主導で決まることに反発した市民団体が署名を集めて住民投票が実現。酒井氏は「信を問う」として10月に辞職した。〔共同〕