再び「まさか」、市原「ベストのプレー」で逆転
5打差からのスタートも、優勝争いをしていた相手の18番のボギーで決着したのも、初優勝の時と同じで「まさか」。今度も目を潤ませた市原は「やっぱり優勝はうれしい」。
ゴルフの内容が喜びを倍増させる。「ベストのプレー。ショットもパットもいうことなくて」。9番で第2打をカップに放り込みイーグル。前半で5打伸ばすと、10番(パー4)では5番アイアンで50センチに絡めバーディーを奪った。「9、10番がターニングポイント。気合が入った」。パー5の18番でもバックスピンのかかった第3打がカップをかすめて1メートルに。「ショットは思い通りの感じ。プレッシャーの中でしっかり入れられた」
2日前、片頭痛で夜中に何度も目を覚ました。体調が悪い中、前日は「しっかり我慢して」3アンダー。練習せずに体を休め最終日の猛チャージにつなげた。
最下位に沈んだ前週初日、「目の前のプレーをしっかり」と気持ちをリセットした。結果、予選落ちはしたが、終盤5ホールで4打伸ばし「最後にいいプレーできて今週につながった」という。
世界1位のケプカから優勝ジャケットを着せられ「僕も近づけるよう頑張りたい」。今年はタイで正月を迎え、アジアツアー予選会に出た。ビッグ大会で2勝したが、アジアに戦いの場を求めるつもりだ。「もっとうまく、強くなりたい。(海外)メジャーで結果を出せるスタートの1年にしたい」。遅咲きの苦労人は、年齢よりずっと気持ちが若い。(吉良幸雄)