アメフト立命・関学大 18日激突 リーグV懸ける
決戦へ手の内隠す神経戦
アメリカンフットボールの関西学生リーグは最終節の18日、互いに無敗の立命大(6勝)と関学大(5勝1分け)が激突する。勝った方が優勝という構図は昨季と同じだが、関学大と引き分けて1敗で追う関大にも、大学日本一を決める甲子園ボウル出場の可能性は残る。最終節の3校の勝負の行方から目が離せない。
甲子園ボウルへの出場をかけた西日本代表校決定戦は、2016年から関西学生リーグ2位にもトーナメント出場資格が与えられ、リーグ優勝を逃したチームが"下克上"で甲子園に進む可能性が生まれた。
昨季は立命大が関学大との全勝対決を制してリーグ王者に輝いたが、西日本代表校決定戦の決勝で関学大に敗れ、甲子園ボウル出場を逃した。そこで浮き彫りになったのは、高度な情報戦という側面のあるアメフトで、実力が拮抗する相手に2度続けて勝つのがいかに難しいかということだ。
相手の戦略、戦術を徹底的に分析し、裏をかく勝負手を仕込むことに血道を上げつつ、連勝を見据えてリーグ戦では手札をさらしすぎないのが肝要。一方で「出し惜しみをして勝てる相手ではない」(立命大の古橋由一郎監督)というジレンマもある。見る方は好ゲームを2度楽しめるが、やる方の苦労は2倍では済まない。
そうした神経戦の影響は前節でも垣間見えた。立命大は3日の京大戦で先制TDを許したものの、24-7で逆転勝ち。関学大は4日の関大戦で終盤にリードされながらも、2年生QBの奥野耕世が残り5秒で起死回生のTDパスを決めて、かろうじて19-19の引き分けに持ち込んだ。ただし、両校とも最終節の決戦を控え、プレー選択の幅を狭めていた印象がある。あるいは手の内を隠したいが故の覚悟の苦戦だったか。
それでも、立命大はQB荒木優也がパスで抜群の安定感を発揮し、2年生のエースRB立川玄明も2TDランを決めた。関学大はシーズン序盤に日大の悪質タックル問題の渦中にいたQB奥野が、ラスト2分から冷静さを保ってパスで攻めきり、その際立つ才能を示した。
逆転での関西リーグ制覇を目指す関学大は攻守にミスが目立ち、現状ではやや劣勢か。鳥内秀晃監督は「立命は昨年の悔しさがあり、まずモチベーションが違う。このままでは勝てない」と奮起を促す。負ければ関大と同率2位で並び、西日本代表校決定戦への出場が抽選となる可能性もある。関学大にとっても正念場の戦いだ。
(影井幹夫)