パプアAPEC開幕 閣僚会議、自由貿易など議論
【ポートモレスビー=松本史】21カ国・地域でつくるアジア太平洋経済協力会議(APEC)が15日、パプアニューギニアのポートモレスビーで開幕した。米中貿易戦争が激化するなか、自由貿易について議論。世界貿易機関(WTO)改革に加えてデータ流通やインフラ投資のあり方なども話し合う。
一連の会議は18日まで。15日の閣僚会議には河野太郎外相と世耕弘成経済産業相が、17~18日の首脳会議には安倍晋三首相が出席する。トランプ米大統領は欠席し、ペンス副大統領がインド太平洋地域に関する演説をする見通しだ。
ペンス氏はAPECの前に訪れた日本で、インド太平洋地域に600億ドル(約6兆8千億円)を投資すると表明している。APECでも中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が進める広域経済圏構想「一帯一路」を念頭に、米国が地域への関与を深める姿勢を強調するとみられる。
閣僚会議では米中貿易戦争が激化する中で、保護主義的な動きへの対応を話し合う。日本や米国が進めるWTO改革なども議論する見通しだ。
閣僚らは国境を越えたデータ流通やデータ活用などについても協議。途上国へのインフラ投資を活発化させる中国を念頭に、投資の透明性や公平性、対象国の財政健全性維持も議題となる。APEC全参加国・地域にまたがる広域の自由貿易圏構想「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」実現に向けた取り組みも議論する。
昨年の閣僚会議では、2国間貿易を重視する米国と他国で意見が割れ、閣僚会議を1日延長。それでも声明の調整が難航し、閉幕後2日遅れで声明を発表した。
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