世界王者追い詰めたイングランド 17日に日本戦
NZ代表に15-16
ラグビーのイングランド代表は10日のテストマッチでニュージーランド(NZ)代表に15-16で惜敗した。このところ不調に陥っていたイングランドにとっては、ワールドカップ(W杯)2連覇中の王者に健闘し株を上げた形。前日本代表ヘッドコーチ(HC)であるエディー・ジョーンズ監督の鼻息も荒い。
キックオフ直前。イングランドの聖地、トゥイッケナムに詰めかけた8万人の観衆が応援歌を始める。NZの戦いの儀式、ハカの声を完全にかき消した。NZの展開ラグビーには不都合な強い雨も降る。
地の利を得たイングランドは序盤から飛ばした。持ち味の接点の力強さを発揮し、NZのミスを誘発する。前半半ばにはバックス5人が加勢した13人のモールを押し込み、トライ。15-0と先行した。
ただ、その後は相手の堅守に攻めあぐねた。反則絡みでジワジワと失点。NZが選手交代でFWのジャンパーを増やすと、ラインアウトのボールも取れなくなった。敵陣に入っては逆襲を浴びる、の繰り返し。とうとう試合をひっくり返された。終盤に再逆転のトライをあげたかに思えたが、ビデオ判定でオフサイドとされ、取り消しに。しぶとい王者を仕留めきれなかった。
「勝つチャンスはあったがつかめなかった」とジョーンズ監督。ただ、戦前の予想を裏切る健闘に手応えもある。「素晴らしい試合。今日の課題を修正できれば、世界のベストチームになれる」と胸を張る。
17日には、前回W杯で指揮した日本と初めて戦う。準備の方針を問われると「スシ、アンド、サケ」。笑いを取った後で、「日本代表は今日の試合を見て不安になっているだろう。フィジカルで彼らを圧倒する」。早くも古巣への心理戦を仕掛けていた。
(谷口誠)