特許資産規模、三菱電機が4年連続首位 17年度
特許調査・分析のパテント・リザルト(東京・文京)は、2017年度に国内で登録された特許の価値を評価した「特許資産規模ランキング」をまとめた。首位の三菱電機は4年連続で、自動車の制御技術などで評価の高い特許が目立った。ランキングの上位には人工知能(AI)の利用などを進める電機や自動車メーカーが並んだ。
ランキングは17年度に特許庁に登録された特許を対象に調べた。早く登録されるようにする早期審査請求や国際出願などの件数、競合他社が特許の無効を求める審判や異議の申し立ての有無、他の特許を拒絶する理由として引用された回数といった指標をもとに、特許の価値を指数化。それらを足し合わせて資産規模を出した。
三菱電機は登録された特許の数が4471件と最多で、その多くについて早期審査を請求していた。早く登録して、権利を行使できる期間を長くする戦略を採っていた。
技術別でみると、運転支援技術の評価が高かった。位置や速度などの情報を周辺の自動車と無線で交換して運転支援につなげる技術だ。直流電流の電圧を効率よく変換する技術は電力の制御や蓄電、空調機器などに広く応用されるため、注目度が高くなった。
2位のパナソニックは映像を撮る装置の信号処理技術、運転手の危険な操作を検知する技術などの評価が高かった。特許の数は3067件と、3位のキヤノンや4位のトヨタ自動車より少なかったものの、競合他社から異議を申し立てられた特許が多いことから注目度が高いと判定され、特許の価値が上昇した。
キヤノンは複合機やデジタルカメラ、インクジェットで、トヨタ自動車は自動運転車の位置を高精度に特定する技術などで価値が高かった。
5位は米半導体大手クアルコムが入り、前回の7位から順位を上げた。特許の数は1285件と上位10社で最も少なかったが、審査官からいったん拒絶されても、内容を修正して登録される特許が多かった。ジェスチャーで電子機器を操作する技術などが評価された。
海外勢ではオランダのロイヤル・フィリップスが24位。米IT大手ではアップルが87位、グーグルが130位、フェイスブックが162位、アマゾン・ドット・コムが189位だった。