米国がおびえる2つの「転換」
本社コメンテーター 梶原誠
アジア市場の視線がこれほど米中間選挙に集まるのは初めてだった。中国経済への依存を高めた各国は、米国の圧力による中国経済悪化の逆風をもろに受ける。上下院で「ねじれ」が生じた結果、トランプ大統領へのけん制が働いて強硬姿勢を緩めざるをえない――。そんな期待も浮上している。
だが、そう甘くない。中間選挙の最終結果にかかわらず、極論すれば大統領がトランプ氏以外であっても、対中敵視論は遅かれ早かれ噴き出して...
東京、ニューヨーク、ソウル、香港を拠点に市場を通して世界を見てきた。アジア通貨危機、日本の金融危機、リーマン危機も取材。編集委員、論説委員、英文コラムニストを経て2017年2月より現職。市場に映る全てを追う。