米朝高官、NY会談を延期 非核化と制裁解除で対立か
国務省「対話は継続」
【北京=共同】米国務省は7日、ニューヨークで8日に予定していたポンペオ国務長官と北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長の会談を延期すると発表した。理由は明らかにしていない。検証可能な形での非核化を求める米国と、制裁解除を強く要求する北朝鮮の間で対立が解けず、北朝鮮側が中止を申し入れた可能性がある。
国務省は5日に高官会談開催を発表したばかりだった。同省のナウアート報道官は声明で「互いの日程が合う時に再招集する」とした上で「対話は続ける」と強調した。
金英哲氏は金正恩(キム・ジョンウン)委員長の最側近。米側は高官会談で非核化進展への道筋を付け、年明け以降の開催をにらむ米朝首脳再会談の日程や場所の調整を図る構えだったが、再会談がさらに遠のくことも考えられる。
消息筋によると、北朝鮮側は今回、金英哲氏や直属の部下、党統一戦線部のキム・ソンヘ統一戦線策略室長に加え、米側が実務協議開始を働き掛けてきた崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官も訪米する方向で調整していた。
しかし北朝鮮側は、ポンペオ氏が非核化までは制裁を解除しないと繰り返し明言していることに反発、訪米で得るものは少ないと判断した可能性がある。中間選挙後のトランプ政権の出方を見極める思惑もありそうだ。
ナウアート氏は声明で、トランプ大統領と金正恩氏が新たな米朝関係や平和体制の構築をうたった6月のシンガポール首脳会談の合意事項を履行する米国の姿勢に変わりはないと強調した。
米側は8日の高官会談に続けて、崔氏と国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表との実務協議につなげたい考えだった。