パイオニア、ファンドとスポンサー合意の時期示さず
経営再建中のパイオニアは7日に開いた2018年4~9月期の決算説明会で、スポンサーとなる外資ファンドとの合意の時期について「現時点で言うことができない」(森谷浩一社長)と明言を避けた。当初は10月末までの契約締結を目指していた。森谷社長は「新しいパイオニアの具体的な姿を1日も早く示したい」と話すが、その先行きは見通せない。
パイオニアは香港に本拠を置くアジア系ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアとの契約締結を目指すが、10月26日に「10月末以降も協議を継続する」と発表した。
遅れの理由について森谷社長は「交渉を始めると決めなければいけないポイントが多く、時間軸の見通しが甘かった」という。「合意に向けた大きなハードルがあったり、締結できなくなったりするという認識はしていない」とも語った。
4~9月期の最終損益は99億円の赤字(前年同期は26億円の赤字)だった。カーオーディオやカーナビゲーションシステムの販売が新興国などで低迷した。19年3月期の最終損益予想は「スポンサー支援の協議中」を理由に公表を留保した。
パイオニアの再建には自動運転向けデジタル地図や次世代センサーといった新規分野がカギを握る。「置かれた状況は厳しく、大きな変革期にある。次の姿を示すことが私の仕事」と話す森谷社長にとって、時間との戦いが続く。
(増田有莉)
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