パイオニアの4~9月期、最終赤字99億円 カーエレ不振
パイオニアが7日発表した2018年4~9月期連結決算は、99億円の最終赤字だった。前年同期に比べ赤字幅が72億円拡大した。新興国向けのカーオーディオが振るわなかったうえ、自動車メーカー向けのカーナビの開発費負担が増えた。訴訟関連費用や欧州での課徴金支払いに伴う特別損失も計上した。
売上高は前年同期比3%減の1709億円だった。自動車メーカー向けのカーナビが不振で、北米は2割超の減収となった。新興国を含むその他地域の売上高も12%減った。前年同期は20億円の黒字だった営業損益は、16億円の赤字になった。
19年3月期通期は、最終損益予想の公表を引き続き見送った。香港を拠点とする投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアとのスポンサー支援の正式契約が固まっていないため。営業損益の見通しは50億円の赤字と従来予想を据え置いた一方、売上高は前期比4%減の3500億円と、これまでより300億円下方修正した。
同日に記者会見した森谷浩一社長は、当初10月末をメドとしていたベアリングとの正式契約がまとまっていないことについて「当初の見通しが甘かった。両社で解決しなければいけない課題も出てきた」と述べた。正式契約の時期については「言えない」と述べるにとどめた。
当初は年内にも実施されるとみられていた500億~600億円規模の第三者割当増資についても「スケジュールが後ろ倒しになる」(川尻邦夫常務執行役員)。ただ、ベアリングから250億円の融資を受けたことで、資金繰りのメドはついているという。
関連企業・業界