プリファード西川社長「IoTでソフトとハード融合」
人工知能(AI)開発のプリファード・ネットワークス(PFN、東京・千代田)の西川徹社長は7日、第20回日経フォーラム「世界経営者会議」で講演し、「(あらゆるモノがネットにつながる)IoTが広がり、ハードウエアとソフトウエアが融合する」と述べた。変化に乗り遅れないよう業界の垣根を越えた連携が必要だと主張した。
PFNは2015年に工作機械大手のファナックと提携。両社で産業用機械とAIの融合を進めてきた。西川氏はこうした経験をもとに「これまでソフトでは日本が負けてきたが、ソフトとハードが将来融合して新しい分野が生まれる」との見方を示した。
IoTでデータの量は爆発的に増えているものの「データの取り方、理解を間違えたら意味がない」と指摘。「装置のことをよく理解し、データがどのように生み出され、どんな意味があるのかを見極めないといけない」と強調した。
こうした知識を持った人材が不足しているとして「ハード、ソフト、ネットワークなど複数の分野が分かる人材を育てていかないといけない」と話した。
PFNは社員向けに今春策定した行動規範で「死ぬ気で学べ」という項目を加えたというエピソードを披露した。
PFNは14年設立のスタートアップ企業。脳をヒントに開発された技術である「ディープラーニング」(深層学習)に強みを持つ。ファナックのほか、トヨタ自動車などと提携している。日本発で数少ないユニコーン企業(未上場で企業価値が10億ドル=約1100億円=超)としても知られている。
日本経済新聞社はスイスのビジネススクール「IMD」と共同で11月7、8日に東京都内で日経フォーラム第25回「世界経営者会議」を開催します。テーマは「技術新時代のリーダーシップ」。オンラインでも有料配信します。
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