SKグループ崔会長「社会的価値創出、計測して公表」 経営者会議
韓国の大手財閥SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長は7日、第20回日経フォーラム「世界経営者会議」で講演し、「企業は経済的価値だけでなく社会的価値(ソーシャルバリュー)に目を向けねばならない。これは未来への投資だ」と話した。
崔会長は社会的価値が重要になってきた背景として「デジタル技術の発展による取引費用の低減や、地理的に離れた人間が相互につながる機会が増える」と指摘した。SKグループの17社に社会的価値を測定して提出することを義務付けたという。
社会的価値の事例として、グループの石油元売り大手SKエナジーと、同業のGSカルテックスとの協業を紹介した。両社のガソリンスタンドを宅配便の拠点として活用している。社会的企業を支援するSKグループの「社会成果クレジット」制度も紹介した。独自の基準で社会的な価値を測定し、4年間で188社を支援したと明らかにした。
同グループの半導体大手SKハイニックスは東芝メモリを傘下に収めた日米韓連合に資金億円を拠出するなど、日本との関係も深まっている。日本については「先義後利の精神」や「三方よし」といった言葉に触れた上で、「古くから企業は社会とともに成長しなければという企業家精神を持っている」と述べた。
繊維を祖業とするSKグループは大型M&A(合併・買収)を経て、エネルギーと通信、半導体を経営の3本柱に据える。創業家出身の崔会長は約20年間でグループの資産総額を韓国5位から3位に引き上げた。
日本経済新聞社はスイスのビジネススクール「IMD」と共同で11月7、8日に東京都内で日経フォーラム第25回「世界経営者会議」を開催します。テーマは「技術新時代のリーダーシップ」。オンラインでも有料配信します。
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