米中間選挙、開票進む トランプ政権に審判
【ワシントン=永沢毅】トランプ米政権への審判となる米中間選挙は米東部時間6日午後6時(日本時間7日午前8時)から開票が始まった。大勢は7日未明以降に判明する。全435議席が改選となる下院で与党・共和党が過半数を維持できるかが最大の焦点。期日前投票は異例の高水準となっており、投票率も上昇するとの見方が出ている。
米東部時間6日午後6時(同7日午前8時)に南部ケンタッキー、中西部インディアナの両州で投票が終了し、開票作業に移った。
トランプ大統領はホワイトハウスで過ごし、朝からツイッターで上下両院の共和候補への投票を呼びかけた。ロイター通信によると、トランプ氏は期日前投票を済ませたという。
全435議席の下院では、民主優位の予測が多い。米政治専門サイトのリアル・クリア・ポリティクス(RCP)の予測によると、6日時点で獲得確実あるいはその可能性が高いのは民主が203、共和が194。残る38議席を激しく争う。
激戦区が多い都市部の郊外の選挙区で共和の苦戦が目立つ。中西部カンザス3区や東部ニュージャージー州11区などが典型的で、共和の現職が民主に議席を脅かされている。ただ、共和が最終盤に入って追い上げているとの見方もある。
全100議席のうち3分の1(今回は35議席)が改選対象の上院は、非改選議席が多い共和が過半数を維持するとの予測が多い。注目を集めているのは、中西部ノースダコタ、ウェスト・バージニア、南部フロリダ、テキサスなどだ。
民主現職のいるノースダコタは共和が最も奪回を期待する州の1つだ。テキサスでは2016年大統領選で指名をトランプ氏と争った共和現職のテッド・クルーズ氏が、民主のベト・オローク下院議員に接戦を強いられている。フロリダは共和のスコット州知事が民主の現職のネルソン氏と激しく競っている。
フロリダ大のマクドナルド准教授の集計によると、期日前・不在者投票の投票者数は約3840万票で、前回14年の約2700万人を大きく上回る異例の高水準。有権者の関心の高さがうかがえる。投票率が約6割の大統領選と比べ、中間選挙は4割台半ばにとどまる。複数の米メディアは今回、投票率が上昇するとの見方を伝えている。ただ、6日は東部沿岸州を中心に強風と雨に見舞われ、天候が微妙に影響する可能性がある。
共和が下院で過半数割れした場合、トランプ政権が掲げる「米国第一」の政策の停滞は必至で、米政治の混乱に拍車がかかる懸念がある。民主が下院を奪回すれば、オバマ前政権の2010年以来8年ぶりとなる。ロシア疑惑を抱えるトランプ氏への追及が強まる可能性がある。