コカ・コーラ、小企業向け小型冷蔵庫 決済はスマホ
コカ・コーラボトラーズジャパンは6日、小規模事業所向けに飲料販売の新サービスを始めると発表した。自動販売機が設置できない場所に小型の冷蔵庫を設置し、ジュースなどの飲料を取り出せるようにする。会計はスマートフォン(スマホ)のキャッシュレス決済に統一することで欠品情報などを把握し、補充の業務を効率化する。
国内の自販機市場が縮小する中、これまで自販機が置けなかった小規模事業所に「疑似的な」自販機導入を進めることで新市場を開拓する。
新サービスは「コーク ミニ」。10~30人程度が働く小さなオフィスに設置し、飲料を販売する。冷蔵庫は約40本が入る小型のタイプで、決済方法は導入企業が「楽天ペイ」か「LINEペイ」を選ぶ。購入する場合はメニューパネルのQRコードをスマホアプリで読み取り、商品を取り出す。
決済をキャッシュレスに統一するため、商品の売れ行きや欠品がリアルタイムで把握できる。商品が足りなくなりそうになったらコカ・コーラボトラーズジャパンが導入企業に届ける仕組み。従来の現金決済ではこうした運用の効率化が難しかった。
2018年度内に都内で60台を展開し、19年度以降にエリアを広げる。同社によると、従業員10~30人規模の事業所は全国で約88万件あり、これまで自販機が展開できなかった新たな市場を開拓する。
国内の自販機の飲料販売は苦戦している。調査会社の飲料総研(東京・新宿)によると、2017年の自販機を通した飲料の販売数は10年前に比べ14%減少した。国内の飲料販売総数が8%増えたのとは対照的で、自販機で飲料を購入しない割合が高くなっていることを裏付けている。コンビニコーヒーの普及やドラッグストアなど飲料を購入できる場所が多様化していることが背景にあるとみられる。