日本企業のデータ活用は10カ国で最下位 米社調査
データ分析ツールの米クリック・テクノロジーズ(Qlik Technologies)の日本法人、クリックテック・ジャパンは2018年11月5日、企業のデータ活用具合と時価総額の関係を調べた結果を発表した。世界10カ国の604社を対象に調べたところ、データ活用が進む企業の時価総額はそうでない企業と比べて、3億2000万~5億3400万ドル高いと分かった。日本企業のデータ活用レベルは10カ国のうち最も低かった。
クリック・テクノロジーズはデータ活用具合を「データリテラシー」と名付け、「データを読み解いて日常的に業務に使い、必要に応じて分析し、その結果に基づいて議論する能力」と定義している。今回、各社のデータリテラシーのレベルを数値化し、時価総額との関係を調べた。クリックテック・ジャパンの北村守カントリー・マネージャーは「データリテラシーと業績の関係性を明らかにしたのは世界でも初めてだろう」とする。
世界10カ国で、従業員数が500人以上の上場企業604社を対象に調べた。米国と欧州が200社ずつ、日本が55社、日本を除くアジアが149社という内訳だ。
最もデータリテラシーが高かった国はシンガポールで100ポイント中84.1だった。主要国のポイントは英国が81.3、ドイツが79.0、インドが76.2、米国が72.6、日本は54.9だった。「日本はデータを組織全体で活用できていないためスコアが低かった。限られた人しかデータにアクセスできなかったり、ためたデータが使える状態になっていなかったりするケースが多い」(北村氏)。
全体の結果として、企業の意思決定者の9割以上が従業員のデータリテラシーが重要と考えていた。だが一方で、従業員のデータリテラシーを高めるよう奨励している意思決定者は17%にとどまったという。
(日経 xTECH/日経コンピュータ 増田圭祐)
[日経 xTECH 2018年11月5日掲載]