5G電波配分 総務省「競争」「地方」重視
総務省は2日、超高速の次世代無線通信システム「5G」用の電波の配分について、競争の促進と地方への普及を重視する指針案を発表した。大手の携帯電話事業者に対して格安通信事業者への回線提供の計画を必ず審査。提供の実績も将来の周波数割り当てで重要な評価指標と位置づける。サービスを始める時期はすべての都道府県で2年以内との基準を設けた。
5Gの最高伝送速度は現在の携帯の100倍。2時間の映画を3秒でダウンロードできるとされる。通信のタイムラグがほぼないのも特長で、自動運転や遠隔医療など様々な産業応用の範囲も広い。携帯電話での利用にとどまらず、人手不足など地域の課題解決につながる通信インフラになるとの期待がある。
2018年度末に予定する第1弾の電波割り当てにはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクと新規参入の楽天の大手4グループがそろって名乗りを上げる見通し。大手から通信設備を借りる格安事業者の参入も促して多様なサービスを競い合う市場環境を整える。
全国の半分以上のエリアで5年以内に基地局を整備する条件も設定。都市部だけでなく、幅広い地域で早期に5Gを利用できるようにする。