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いいチームにいい番頭 阪神・清水ヘッドの役割は

スポーツライター 浜田昭八

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その昔、繁盛している大店(おおだな)には、いい番頭さんがいるといわれた。店の規模が大きくなると、取引の範囲が広がり、使用人も増える。主人の才覚だけでは経営できない。そこで、経験豊富な番頭が主人を補佐して実務を取り仕切り、使用人を束ねる。

内容は少し違うが、プロ野球でも堅実にペナントレースを運ぶチームには、監督を補佐する番頭さんのような人物が存在する。「ヘッドコーチ」である。役職名は「チーフコーチ」「作戦コーチ」などとさまざまだが、大局的に指揮をとる監督を補佐し、試合進行の実務を担当する点に変わりはない。

監督の得意でない分野を補完

過去に有名だったヘッドコーチに、川上哲治V9巨人時代の牧野茂がいた。打撃の神様・川上があまり得意としない機動力を生かした攻撃や防御面を補い、大きな功績を残した。西武全盛時の広岡達朗監督―森祗晶ヘッドも名コンビだった。このコンビを見習って、阪神・吉田義男が元大洋監督の土井淳をヘッドに迎えたほどだった。ただ、本家の西武組は残念なことに"仲間割れ"の格好で別れてしまった。

このほか、中日、阪神での星野仙一―島野育夫、近鉄での西本幸雄―仰木彬も、監督の不得手部門をヘッドが補完する、いい組み合わせだった。西本―仰木の場合は、当人たちが意識したかどうかは別にして、"監督見習い"を在任中に実行していたのではないか。似たケースが現在のヤクルト・小川淳司―宮本慎也の間柄ではなかろうか。

来季に臨む首脳陣で注目されるのは、中日・与田剛、阪神・矢野燿大の両新人監督を補佐する番頭さんだ。与田を支えるのは西武、ロッテの監督だった伊東勤。この人は、監督初体験の与田に監督術を伝授する"教育係"の色彩が濃い。強い西武と弱いロッテで指揮した伊東の経験が生かされるのではないか。

極めて興味深いのは、矢野を補佐する清水雅治の球歴と人物像だ。1989年から中日、西武で7年ずつ、計14年の現役生活を過ごした。内野手でスタートしたが、すぐ外野へコンバートされた。中日時代には立浪和義、山崎武司らの堅城を抜けず、西武でも厚い選手層に阻まれてレギュラーになれなかった。

控えのままで14年間プレーできたのは快足で練習熱心、野球をよく勉強しているからだった。中日で5年間一緒だった矢野とはウマが合った。当時の矢野も中村武志との正捕手争いで後れをとり、苦しんでいた。控え組の2人が仲間になると、グチをこぼし合うことが多い。だが、4歳年長である清水のめげない姿勢に、矢野は強い影響を受けた。

「外野守備走塁」から筆頭格へ

2002年に西武で現役を引退した清水は、すぐコーチに登用された。それから現在にいたるまで、一度もユニホームを脱ぐことなく、コーチ生活を送ってきた。役職はほぼ一貫して「外野守備走塁コーチ」。仕えた監督は西武で伊原春樹、伊東勤、日本ハムで梨田昌孝、栗山英樹、ロッテで伊東、楽天で梨田。そして阪神で矢野だ。

来季でコーチ17年目、5球団で延べ7監督の下で働けるコーチは、そうザラにはいない。伊東は元同僚、梨田は島根・浜田高の先輩という間柄だが、同僚、同窓という"よしみ"を超えた存在価値があるのだろう。事実、赴任先はほとんど走るチームになっている。日本ハムでは投手から転向した糸井嘉男を一流外野手に育てたことでも知られている。

そのように、足と外野守備に関するスペシャル職人コーチとみられてきた清水が、初めて筆頭格であるヘッドコーチに就く。用兵、作戦について監督にアドバイスしなければならない。コーチを束ねて監督の意向を伝え、チームの意思統一をはかるという重要な役目も担う。

さらに、阪神では新旧交代に伴う"ベテランはずし"という難題が待ち受けている。41歳の福留孝介をはじめ、39歳の能見篤史、38歳の藤川球児、37歳の糸井、鳥谷敬と、投打の主力に個性派が顔をそろえている。老化は避けられないし、けがの回復も遅くなるだろう。矢野には酷な、弟分たちをはずす仕事を清水が大幅にカバーしなければならなくなるのではないか。

阪神には熱狂的ファンが多く、ネット裏には解説、取材で訪れるOBも顔をそろえる。根強いファンに支持されているベテランをはずすと、"外様"の清水への風当たりが強くなるのではないかと気がかりだ。矢野―清水のコンビが、いい主人と番頭さんに育つように、じっくり見守ってほしい。(敬称略)

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