29日の衆院代表質問の詳報
▽代表質問
枝野幸男氏(立民)決裁文書改ざん問題などに言及がなく、強い憤りを感じる。消費税率の10%への引き上げは低所得者に打撃。政府の景気対策案は、ばらまく手法ばかりだ。憲法の本質は国家権力を縛ること。縛られる側の安倍晋三首相が改憲の旗を振るのは論外だ。障害者雇用水増し問題に言及がなかった。入管難民法改正案は移民受け入れ政策への転換と違うのか。
稲田朋美氏(自民)日米物品貿易協定(TAG)を自由貿易協定(FTA)と、どう差別化するのか。日本と中国は友好関係を発展させる必要がある。北朝鮮の核、ミサイル、拉致問題の解決へ、日本が主体的に対応していく必要がある。韓国海軍の国際観艦式で、日本の自衛艦旗を掲げないよう求められた。防衛計画の大綱を見直し、自分の国は自分で守る気概を持つべきだ。自衛隊を誰からも憲法違反と言わせないため改憲は急務だ。
玉木雄一郎氏(国民)日ソ共同宣言を土台に平和条約を締結し、歯舞群島と色丹島の先行引き渡しを実現すべきではないか。自民党が自衛権の範囲を大幅に拡大する憲法改正案をつくり、首相が「何も変わらない」と言い切るのはうそつきだ。国民投票法にCM規制を導入することが、改憲案を議論する大前提だ。
▽政府答弁
安倍首相
【入管難民法改正案】制限なく外国人を受け入れ国家を維持する、いわゆる移民政策は採らない。深刻な人手不足に対応するため、即戦力を期限付きで受け入れる。
【憲法9条改正】自衛隊員が誇りを持って任務を全うできる環境を整えることが今を生きる政治家の責任だ。国民のため命を賭して任務を遂行する隊員の正当性の明文化、明確化は国防の根幹に関わる。
【テレビCM規制強化】国民投票制度の根幹に関わることで国会で議論いただく事柄だ。
【障害者雇用】再発防止はもとより、法定雇用率の速やかな達成と障害者が活躍できる場の拡大へ政府一体で取り組む。
【防衛計画の大綱】これまでの延長線上でない、数十年先の礎となる、あるべき姿を追求する。
【消費税10%】経済に影響を及ぼさないよう全力で対応する。
【公文書管理】大島理森衆院議長からの指摘を重く受け止め、真摯な反省の上に再発防止に向けて全力を挙げる。
【日米物品貿易協定(TAG)】包括的な自由貿易協定(FTA)とは異なる。言葉遣いの問題としてFTAの一種ではないかとの意見があることは承知している。
【日中関係】あらゆる分野の交流、協力を推し進め、日中関係の新しい時代を切り開く。
【北朝鮮問題】被害者家族が高齢となる中、あらゆるチャンスを逃さないとの決意で臨む。
【日韓関係】未来志向の関係構築に逆行するような動きが続き遺憾だ。
【北方領土問題】北方四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結するのが、わが国の一貫した立場だ。粘り強く交渉を進める。
〔共同〕