仮想通貨コインチェックが赤字 4~9月期
親会社マネックス株は急落
仮想通貨交換会社コインチェックの業績が悪化している。親会社のマネックスグループは29日、コインチェックの収益を反映するクリプトアセット事業の4~9月期の税引き前損益が8億4700万円の赤字になったと発表した。当初6月をメドとしていた金融庁による交換業登録が遅れるなかで、体制整備にかかる費用がかさんだ。
コインチェックの赤字決算を受け、29日の東京株式市場でマネックス株は一時前週末比14%安の399円まで急落した。買収当初はコインチェックの収益寄与への期待が高まり、マネックス株は5月に735円の年初来高値を付けた。株価は当時から5割弱下落したことになる。
コインチェックを巡っては、1月に約580億円分の仮想通貨流出事件が起きた。マネックスは4月に同社を買収し、役員を送り込むなどして内部管理体制の整備を進めてきた。
マネックスの4~9月期の連結決算(国際会計基準)は純利益が17億円と前年同期比13%減った。松本大最高経営責任者(CEO)は会見で「コインチェックの事業基盤を考えれば、営業再開後かなり早く黒字化する」などと語った。
仮想通貨とは紙幣や硬貨といった実物がなく、インターネット上でやり取りするお金を指す。専門の取引所を通じてドルや円などの通貨と交換できる。代表的な仮想通貨としてビットコインがある