温暖化ガス観測衛星「いぶき2号」打ち上げ成功
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は29日、温暖化ガス観測衛星「いぶき2号」の打ち上げに成功した。午後1時すぎに主力ロケット「H2A」40号機に載せて種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射し、所定の軌道に乗せた。
いぶき2号は2009年に打ち上げた温暖化ガス観測衛星「いぶき」の後継機。JAXAと環境省、国立環境研究所が共同で開発し、三菱電機が製造した。衛星の開発費は215億円。
二酸化炭素(CO2)やメタンを測るセンサーを備え、温暖化ガスの排出を宇宙から監視する。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の下で、各国が報告する排出量の検証や削減の取り組みに役立てる。
地表から反射する太陽光を観測し、温暖化ガスの種類や濃度で吸収される光の波長や量が変わる現象から温暖化ガスの排出をとらえる。先代のいぶきから観測精度を高めた。
地上や航空機の観測と合わせ、世界各国・地域が排出する温暖化ガスの推定につなげる。微小粒子状物質(PM2.5)などの大気中濃度も解析でき、大気汚染の監視に使える。
H2A40号機は、海外から3基目の受注となるアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ政府宇宙機関の地球観測衛星「ハリーファサット」も搭載した。