マハティール氏「LGBT受け入れず」 タイで講演
【バンコク=岸本まりみ】タイを訪問中のマレーシアのマハティール首相は25日、「マレーシアはLGBT(性的少数者)を受け入れない」と語った。タイのチュラロンコン大学の講演で、来場者からの質問に答えた。
マハティール氏は「私たちの価値観は私たちの思考や文明、宗教に基づいている」と強調。「アジア人はときに西洋の価値観を疑問を持たずに受け入れてしまうが、なにもかも西洋をまねる必要はない。アジアにはアジアの価値観がある。押しつけはやめてくれ」と語気を強めた。
イスラム教徒の多いマレーシアでは同性愛は違法とされ、公開のむち打ちなど厳しい刑に処される。国際社会の批判を受けており、「マレーシアは世界から孤立した」とも語った。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の産業政策にも言及。「ただモノを買うのではなく、日本や中国、韓国のように自国でモノを作り出すべきだ」と強調した。マハティール氏はマレーシアで新たな国産車を育成する構想を掲げている。「域内での生産を増やせばASEANはより早く成長できる」と力を込めた。
マハティール氏は24日からタイを訪問している。公式訪問は同氏の再登板後初めて。24日にはタイのプラユット暫定首相と会談し、タイ最南部での和平実現に向けて両国が協力することなどで合意した。