天才科学者の車いす競売へ ホーキング博士、ネットで
【ロンドン=共同】競売大手クリスティーズは22日、「車いすの天才科学者」として知られ、今年3月に死去した故スティーブン・ホーキング博士が使っていた車いすなどの遺品22点を今月31日から11月8日までの間、インターネットで競売に掛けると発表した。
クリスティーズによると競売されるのは博士の重要な論文の原本や抜き刷り、ベストセラーとなった「ア・ブリーフ・ヒストリー・オブ・タイム」(邦題「ホーキング、宇宙を語る」)の母印入り本、米アニメ「ザ・シンプソンズ」に声優として出演した際の台本など。
博士が世界中で講演する際にも使っていた電動車いすは1万~1万5千ポンド(約145万~約220万円)の値が付くと予想されている。売却益は故ホーキング博士の基金や、自身が患っていた運動神経系の疾患に関する基金に充てられる。
博士の娘ルーシーさんは「父の遺品は英国の科学史の一部でもあると感じており、国民にお渡しすることができればと考えた」とコメントした。
博士は病気と闘いながらブラックホールなどに関する独創的な宇宙論を発表し続け、3月14日、英南部ケンブリッジの自宅で、76歳で死去した。〔共同〕