あきたこまち先物取引がスタート、堂島商取
コメ先物取引を日本で唯一上場する大阪堂島商品取引所で22日、秋田県産「あきたこまち」の先物取引が始まった。午前9時の取引開始直後に成約され、先物の初値は60キロ1万4400円(期先物)と、現物(同1万4950円前後)から若干安い値段がついた。堂島商取はあきたこまち先物の取引を伸ばし、コメの有力銘柄の価格指標として市場を育成したい考えだ。
堂島商取がコメ先物で特定の県の銘柄を上場するのは、2016年10月の新潟コシヒカリに続いて2件目。岡本安明理事長は「コメ先物のニューフェースが多くの方々から活用されるのを期待している」と抱負を述べた。今後、産地の秋田県にも事務所の開設を検討し、生産者の利用を促していく。
将来の価格を事前に固定できる先物取引は生産者やコメ卸などの価格変動リスクのヘッジ(保険つなぎ)に活用されるほか、情報発信力も高く消費者にもメリットがある。秋田県は新潟県や北海道に次ぐ有力なコメ産地で、年間生産量は約50万トン。18年産からのコメの減反廃止に伴いヘッジニーズは高まる、と堂島商取はみている。
あきたこまち先物は向こう1年先の決済物まで取引ができる。最低の取引単位は約12トン分から。