Bリーグ関西勢「東高西低」打破へ 集客でも知恵
男子プロバスケットボール、Bリーグの3季目が10月に開幕した。B1の関西3チームは14日の第2節終了時点で大阪、京都が3勝1敗、滋賀が2勝2敗の滑り出し。各チームとも目標はチャンピオンシップ進出で、全18チーム中の8強を目指す一方、集客面も含めた「東高西低」を打破しようと、観戦の魅力を高める仕掛けにも知恵を絞る。
京都は昨季、西地区2位でチャンピオンシップに初進出。8季目の浜口炎ヘッドコーチ(HC)の下、さらに上を狙う。第2節の横浜との初戦は同点の残り21秒、岡田優介の3ポイントシュートで劇的勝利を収めた。
大阪は穂坂健祐・新HCが内部昇格し、西地区4位から巻き返しを図る。Bリーグ1季目以来の復帰となるジョシュ・ハレルソンがインサイドを強化し、得点、リバウンドを重ねる。
西地区3位だった滋賀は京都大アメリカンフットボール部前監督の西村大介取締役が10月に代表取締役最高執行責任者(COO)に就任。元A東京の伊藤大司ら新戦力の活躍で第2節に格上の川崎から1勝を挙げた。
出足好調の関西勢だが、リーグ王者は1、2季目とも東日本勢が占め、観客動員数でも「東高西低」が続く。昨季の1試合平均入場者数は千葉が5196人と断トツで、2位北海道、3位栃木。関西勢では大阪が3007人の8位とB1平均の2897人を上回ったが、滋賀は2326人で14位、京都は2092人で16位にとどまった。
ファン動員の王道はもちろんチーム強化だ。ただ、各チームはまず認知度のアップや、ホームアリーナの魅力を知ってもらうことにも知恵を絞る。
大阪はホームアリーナでの試合前のイベントで、デジタルアート制作会社のチームラボ(東京・千代田)が手掛ける光と音による演出を実施。今季は来場者が触れると色が変わるボールを導入し、「一体感を楽しめるよう進化させた」(広報部の田中美紗紀さん)。
滋賀は10月にホームで行う平日夜の4試合で、ビールの祭典「オクトーバーフェスト」を開催。仕事帰りの会社員らの観戦に期待する。京都はチーム創設10周年を機にあらためて地元密着度を高めようと、アリーナ周辺の半径3キロ圏内で地域イベントなどへの露出を強化。ミニバスケットゴールを近隣の幼稚園などに贈る活動も展開する。
開幕前に所属選手がアジア大会で不祥事を起こし、各クラブともこうべを垂れて始まった今季。「信頼回復を第一に」を合言葉に、今まで以上にファンに寄り添うシーズンになる。
(影井幹夫)