「日本と自由貿易擁護」中国首相、経団連会長らと会談
【北京=原田逸策】中国の李克強(リー・クォーチャン)首相は10日、北京の中南海で福田康夫元首相や経団連の中西宏明会長らと会談した。李首相は「あらためて企業家の皆さんの中国への投資を歓迎し、日本とともに多国間貿易体制や自由貿易を擁護していきたい」と述べた。保護主義を強める米国を念頭に置いた発言とみられる。
福田氏や中西氏は11~12日に開く、日中企業家・元政府高官対話に出席するため訪中した。
安倍晋三首相は10月下旬に訪中する方向。李氏は「安倍氏の訪中を歓迎したい。各産業界、企業家もいまのチャンスをぜひとらえてほしい」と語った。日中関係改善の流れに乗り、日本企業が中国事業を拡大することに期待を示したものだ。
日中の具体的な協力分野として、李氏はイノベーション(技術革新)と日中以外の第三国の市場開拓を挙げた。「日中協力には大きな潜在性がある。第三国でもウィンウィンの関係をつくり、それぞれが比較優位を発揮できる」と語った。
会談には日本側からは経団連の古賀信行審議員会議長ら、中国側からは王毅外相、何立峰国家発展改革委員会主任、鍾山商務相らも参加した。